出版社内容情報
事務所を訪れた日本人女性アイが持ちこんだのは、ここニューヨークで行方知れずとなった兄ヨシキを捜してくれという依頼だった。おれは兄が通っていた美術学校を手始めに、いつものように調査を開始するが……(「東は東」)。街があり、人がいて、事件が生まれる。翻訳ミステリー界の第一線で活躍する著者が、愛情と造詣を傾けて創造した私立探偵ジョー・ヴェニスの活躍。書籍初収録作品と書き下ろしを含む、中短編全5編を収録。解説=三橋曉
内容説明
事務所を訪れた日本人女性が持ち込んだのは、ここニューヨークで行方知れずとなった兄を捜してくれという依頼だった。おれは彼が通っていた美術学校を手始めに、いつものように調査を開始するが…(「東は東」)。翻訳ミステリー界の第一線で活躍する著者が、愛情と造詣を傾けて創造した私立探偵ジョー・ヴェニスの活躍。書籍初収録作や書き下ろし作品を含む、中短編5編を収録。
著者等紹介
木村二郎[キムラジロウ]
1949年大阪府生まれ。ニューヨーク市ペイス大学社会学部卒。帰国後は翻訳家、ミステリー研究家として活躍。90年、初の小説「ヴェニスを見て死ね」をジェイスン・ウッド名義で“ミステリマガジン”に発表し、作家デビューを果たした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エリコ
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「その人の目を見れば、善人か悪人かぐらいはわかるものよ。あんたの目はチェリー・パイを食べたいと言ってるね」「いいえ、言ってませんよ」2014/05/13
Look
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ロスマクやチャンドラーと比べると「ハードボイルドではない」という作者の言葉がよく理解できる。しかしこれはこれで、探偵ものとして楽しめる。ただ、「ヴェニスを見て死ね」のほうがよかったなぁ。話としてはそこそこ凝ってるんだけど、味が薄い。強いて挙げれば「孤独な逃亡者」がよかった。こういう、あっさりだけど胸にしみるラストを求めてたんだけどな。2012/03/30
すていごーるど
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☆☆☆☆2012/03/23
百石
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新年初めの読書。前作『ヴェニスを見て死ね』に引き続き、私立探偵であるヴェニスがニューヨークを舞台に動き回ります。「ダイナマイト・ガイ」で、世界貿易センター爆発事件が言及されていて興味深かったです。満足。/本書を読んで、初めて「“スクランブルド”私立探偵小説」という言葉を知りました。ハードボイルドよりやわらかな作風……というと、阿南シリーズにも当てはまるような気が。『名ばかりの天使』という作品も気になったので読んでみようと思います。マイク・リプリー初耳でした。2012/01/01
matsu
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ニューヨークで暮らす日本人の描写が物凄いリアリティ。そうだよな、日本人って、きっとこうなんだろな、とか思ってしまったが、そりゃそーだ。木村二郎だもんね。前巻から続くやや古めの映画&図書ネタがうれしい。「TVで古い映画を観る男」な俺だ。2012/01/27