内容説明
無性に子どもを欲しがるカレンに戸惑う、結婚間近のニールに、またも仕事が!ラスヴェガスから帰ろうとしない八十六歳の爺さんを連れ戻せという。しかし、このご老体、なかなか手強く、まんまとニールの手をすり抜けてしまう。そして事態は奇妙な展開を見せた。爺さんが乗って逃げた車が空になって発見されたのだ。砂漠でニールを待ち受けていたものは何か?シリーズ最終巻。
著者等紹介
東江一紀[アガリエカズキ]
1951年生まれ。北海道大学卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ずっきん
78
【ドン・ウィンズロウ再読祭り開催中】人物と舞台の緻密さ、ぶっきらぼうでありながら生々しくエロい文体、なんといっても結末の余韻と不満の残らない読後感に、全幅の信頼を寄せている作家さんである。唯一の例外が本書だ。ニールの物語に恋焦がれ、待ちわびた挙げ句のお別れがこれなんてひどすぎると、シクシクもしくは沸々となった初読時。本気で悲しかった。だがしかしである。いやー、再読っていいわー♪ 面白いじゃーん♪ このウィットが、後のあれやそれに活かされていくんだなあ〜なんて余裕の読書。ニール、ありがとう。元気でね!2020/05/18
ナミのママ
59
シリーズ最終巻。最初からコミカル色の濃いシリーズならそれはそれで楽しめたと思う。5巻を続けて読むとあまりにも1作目との違いに、やはり違和感しかない。不幸な生い立ちから抜け出しどんな風に成長していくのか?その最終巻がこれですか…。かなり残念だった。2021/11/30
紅はこべ
57
今回は過去の作品に比べ、ページ数も少なく、事件も単純。水戸黄門的解決であっさり。ニールが連れ戻す任務を負った相手の老コメディアンの発するとめどない小話のせいか、コメディタッチで、このシリーズ特有の哀感や情緒には欠ける。恋人のカレンの子供が生みたいという率直で自然な欲望に直面して、ニールが改めて自分を見つめ直すことになるお話。まさかこんな結末を迎えることになろうとは。ウィンズロウはなかなかニールに普通の幸福を与えてくれないね。ニールの研究している作家の作品、どこかの出版社で訳してくれないかな。2011/02/25
GaGa
57
前作でがっかりしたが、本作は最近のウィンズロウの走り的な作品で、実験的手法が(まだ未熟ながらも)使用され、それなりに楽しく読むことができた。このシリーズは活字のコミックだと思っているので(決していかなるものも軽視した例えではない)すらすらとページをめくらせてもらえただけで充分。ただ、最後の作品なのに、グレアムは活躍せずレヴァィンは登場すらしないのは寂しいなあ。186Pで比喩に使われるD・ホフマン主演映画は「マラソンマン」2012/05/15
yumiha
50
就寝前読書に適さないのは、ホラーだけではなかった😅ニール・ケアリー最終巻は、元コメディアン(86歳)をラスヴェガスから自宅に連れ帰るだけという簡単な(と例のごとくグレアムが言った)仕事…のはずが、逃げ出されてしまったニール。そして、録音された電話のテープの背後から正体不明の声…の箇所でプッと噴き出してしまった😅その後に続く電話のやり取りにも更に笑い転げてしまった。これはあかん、と本を閉じて布団に入った…が思い出し笑いを繰り返して腹筋がプルプル。寝るのはあきらめて、某難解評論を上書き読書…やっと寝た。2024/11/01
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