出版社内容情報
11年前の連続少女殺害事件の真相を追う刑事オリヴァーとピア。緻密に絡み合う事件を通して人間のおぞましさと魅力を描く、ドイツでシリーズ累計350万部突破の傑作警察小説!
内容説明
空軍基地跡地の燃料貯蔵槽から人骨が発見された。検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明。折しも、犯人として逮捕された男が刑期を終え、故郷に戻っていた。彼は冤罪だと主張していたが村人たちに受け入れられず、暴力をふるわれ、母親まで歩道橋から突き落とされてしまう。捜査にあたる刑事オリヴァーとピア。人間のおぞましさと魅力を描いた衝撃の警察小説!
著者等紹介
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
390
<オリヴァー&ピア>シリーズの第4作目(ただし、私は第2巻を飛ばしてしまったので3作目)。ミステリーとしての出来栄えは、これまでに読んだものを凌駕する。ひじょうに複雑な構成をとるのだが、それらを緻密に紡いでゆく手法はノイハウスの真骨頂はまさにここにこそあるのかといった感じである。フランクフルト郊外のアルテンハインの村(おそらくは架空の)が舞台なのだが、その閉塞社会の中に渦巻く欲望や執着が次第に明らかになってゆく。すべてが明らかになった後のエンディングも実に気が利いている。ドイツ色に溢れた重厚なミステリー。2024/01/06
W-G
369
だんだん面白くなってきた。事件の方は然程複雑でもなく、およその検討は序盤でつく。どちらかというと捜査十一課の急な崩壊が面白い。これまで謎に性格悪く描かれていたフランクがついに退場。しかもかなりしょうもない幕引き。空気と化していたアンドレアスもほぼ無理くり事件に絡めて退場。オリヴァーは嫁に浮気され捜査どころではなく、ピアも急にわけのわからないところでメチャクチャ怪しい事件関係者にときめきだすという、今まで以上にまともに仕事している警察官がほとんど出てこない有様。長いけどもう何作か読んでみることにする。2025/03/14
夢追人009
162
私はこの本を読んでガッカリしました。理由は無実の可能性のある殺人犯が記憶喪失で例え冤罪が証明されても全く喜びにつながらない事、それから男性警察官が妻に浮気されたごくプライベートな些事を本筋の事件と並行して同じ紙数でダラダラと書いている事が事件に対する興味を分散させて、著者が優先順位や重要度を全く理解していない様に思えた事ですね。また男性警察官が浮気相手の男に殺意を覚えて初めて殺人者の気持ちを悟るシーンは、プロ失格の甘さに情けなくなりましたね。私が昔人間だから今の軽い風潮についていけないのかも知れませんね。
茜
121
図書館が閉館しているので積読本の中から手に取った。シリーズ化されているとは知らなかったのですが本書だけでも凄く楽しめました。外出すれば誰もが顔見知りのような閉鎖的な村で起こった連続少女殺害事件の犯人として状況証拠だけで逮捕されたトビアスが刑期を終え故郷に戻るのだけど村人達による悪質な嫌がらせが始まる。しかし、実は事件は冤罪というストーリー。閉鎖的なコミュニティーが間違った正義と排他性を生み出している。。ドイツミステリーにもこんなに面白い作品があるとは知らなかったです。2021/05/31
ゆいまある
115
ドイツで人気のミステリーシリーズ第4弾。無実の罪で勾留されていたイケメンが田舎町に戻る。そこで過去の秘密が次々に明らかに…という本筋よりも、主人公オリヴァーの長年連れ添った妻コージマの浮気がショック。そんなー、結婚して26年で今更と思ったが音を立てて壊れる家庭。そして妻から自由だと気付いたオリヴァーの晴れ晴れとしたラストが妙に印象的。読書の手を止めて、幸せだと思っていた自分の人生も、もしかしたらそう言い聞かせているだけでは?真実と向き合って何かを失う勇気がないだけではとか別のこと考えた。続編も読みます。2019/07/03
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