出版社内容情報
同僚アダムズの不正行為に気づき怒りに駆られた大学講師パットは、帰宅しようとした彼を追跡、詰問したあげく殴られて老婆の棲む一軒家に囚われの身となる。凶暴な飼い犬ともども危険視されているミセス・プライドは重傷を負ったパットを息子と呼び世話をするが、医者を呼ぼうともせず外界との交渉は絶望的。突然消息を絶ったパットを案じる妻アナベルは、学長や警察の出方に業を煮やして探索を始める。その間にもパットの身体と精神の状態は悪化の一途を辿り……。名手が贈る円熟の長編サスペンス。
内容説明
同僚アダムズの不正行為に気づき怒りに駆られた大学講師パットは帰宅しようとした同僚を追跡、詰問したあげく殴られて大怪我を負う。やがて老婆の家に運び込まれ世話を焼かれる仕儀となるが、精神に異常をきたしている老婆はパットを息子と呼び、医者を呼ぼうとすらしない。身動きもままならぬパットの心身は徐々に蝕まれ、パットを案じる妻アナベルの憂慮も頂点に達して…。
著者等紹介
近藤麻里子[コンドウマリコ]
1961年宮城県生まれ。東京外国語大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みっぴー
55
ヘレン・マクロイ、マーガレット・ミラーと並び称される女流ミステリ作家の大御所、シャーロット・アームストロング作「魔女の館」。監禁と救出劇って引き込まれないわけないじゃない…警察は頼りにならないと言って、失踪した旦那を自力で見つけようとする若妻アナベル。エネルギッシュなアナベルとは反対に、消極的なもう一人のヒロイン、ヴィー。アナベルの毒舌でヴィーをなじるなじる…本筋とはあまり関係ないけど、場外戦も面白い。キングのミザリーより、こっちのが好みでした。2017/02/26
bapaksejahtera
13
大学で隣の研究室の男の不審な動きを見て、数学科の教師は、大学を出て車で逃げる男を追いかける。数学教員は袋小路で逃げる男に捕まり瀕死の暴行を受けるスタート。教員は彼を息子と思い込む狂った老婆に捕まり、凶暴な犬と共に手当もせずに長期間監禁に。被害者を探し回る愛妻、加害者をたらし込んでいた悪妻とその双子の兄。どうも登場人物の性格が戯画的で同感を得られず、頁を捲るのが遅れがちであったが、終わってみればハッピーエンド。捜査に当たる老若の刑事の性格分けの中で、若い方が次第に成長する様子も描かれる。気分良く読み終えた。2024/01/21
Ribes triste
13
アメリカの女性ミステリー作家の中でも、アームストロングの作品の読み口は何とも個性的で、アメリカ中流層の至極真っ当なものの考え方や日常生活に根ざしたリアルさがあります。事件に巻き込まれ行方不明になった夫パットを信じて、諦めず捜索する妻のアナベルが、タフで魅力的です。2017/05/07
hit4papa
5
監禁もののサスペンスです。この手の作品の面白さは、主人公がどのようにそこから脱出するか、もしくは助け出されるかにかかってます。アームストロングの作品は、ややもすると強引さがだけが目立ってしまうことがありますが、本作品は、そういう不自然な印象を受けることなく、純粋にスリリングな作品世界を楽しむことができるでしょう。本筋とは関係にない箇所で未消化な部分があるのが残念です。
りつこ
4
スピード感があってハラハラドキドキではあるんだけど、善悪がはっきりしてるので結構安心して読めるという。古き良きサスペンス?2011/09/30
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