内容説明
筋骨たくましい犯罪常習者、それがフレディだ。ひと仕事しようとカリフォルニアからマイアミに着いた日に、さっそく空港で若い男の命を奪ってしまう。ホテルの部屋に呼んだ娼婦は、幼いといっていい女子大生で、気の合ったふたりは同棲をはじめる。さあ、腰をすえて稼いでやるぞ…。そんなフレディを追うのは、孤独な中年の刑事ホウクだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gerogeC
2
一人の生来犯罪者の暴力に通りあわせ、それぞれに理不尽なやり方で自由を奪われる男と女。片方は内なる恐怖の種を植えつけられ、片方は籠の中で聡くあること、賢くあることを肌で覚えてゆく。ある失策(または社会経験の不足からくる単なる凡ミス)をきっかけに男は克服のチャンスを与えられ、女は咄嗟の行動で強かにも本来の生活を取り戻す。二つの人生は死を中心にわずかながら交錯し、上々とはいかなくとも、停滞というこれ以上ない幸福を手にする。それをあらわした最後の付記に心が洗われる思い。2017/06/30
bapaksejahtera
1
わたしの好みであるクレージー殺人鬼の引き起こすブラック・ユーモアに溢れた怪作。2019/11/10
かみなりちくび
0
しょっぱなから「精神異常者だ」って書かれてあるにもかかわらず、少しはいい奴に思えてくる。登場人物全てが、どこか欠けているけどそのキャラクター作りがこの作品の魅力なんだと思います。 最近上映されてた「コックファイター」の主人公に、ほんのちょっとだけ関わる。 この作品の映画化されてるけどVHSのみ。コックファイターのDVD化と共に出て欲しい。っていうかそのタイミングしかなくない?2013/04/20