創元推理文庫
そして医師も死す

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  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488240103
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

共同経営者ハクストンの死は、他殺だった。若き医師アランは、名士の仮面に隠さたハクストンの秘密に近づくうちに第一容疑者と目され……英国本格派ディヴァイン初期の意欲作。

内容説明

診療所の共同経営者を襲った不慮の死は、じつは計画殺人ではないか―市長ハケットからそう言われた医師ターナーは、二ヵ月前に起きた事故の状況を回想する。その夜、故人の妻エリザベスから、何者かに命を狙われていると打ち明けられたこともあり、ターナーは個人的に事件を洗い直そうと試みるが…。英国本格黄金期の妙味を現代に甦らせた技巧派、ディヴァイン初期の意欲作。

著者等紹介

ディヴァイン,D.M.[ディヴァイン,D.M.] [Devine,David McDonald]
1920年スコットランド生まれ。大学職員時代、英国有数のミステリ出版社コリンズ社の探偵小説コンクールに投じた『兄の殺人者』がアガサ・クリスティから高く評価され、執筆活動に入る。死後出版の『ウォリス家の殺人』を含め、その生涯で13作の推理小説を発表した。1980年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

276
これまでに読んだディヴァイン作品の中で一番微妙。物語開始時点で、すでに最初の殺人は済んでおり、他作品であればそこに、安っぽいけど鉄板なメロドラマや、閉鎖的な地方都市の小事件を盛り込んだりと、真相への煙幕であると同時に、読者を飽きさせない工夫が為されているが、この作品では、そこが失敗しており、登場人物全員が性格に難ありなだけで、エピソードとしては面白みに欠け、中弛みしてしまっている。真相も、"論理の穴"のロジックはまずまずな代わり、その他の部分は論理的といえず、感覚頼りの、それこそ穴だらけなもの。2022/11/09

セウテス

98
ディヴァイン2作品目。語り手の医師ターナーは、共同経営者のヘンダーソン医師の事故死が、殺人ではないかと疑問を持つ。しかし彼と残された妻との不倫疑惑が噂され、有力な容疑者となるに自ら真相を明らかにしようとする。本作は派手なトリックなどは無く、淡々と物語が語られて行き、その中に全ての謎が在る。しかしその語り口が絶妙で、私を引き込み最後まで弛む事無く読ませてくれる。ラストでは、こんなに明らかな真相を語っていたのかと、そのフェアな謎解きとミスリードに衝撃を受ける。シンプルな謎と心理描写の妙、品の良い傑作である。2019/08/09

スパシーバ@日日是決戦

93
B (2015年)<1962年> 陪審の評決は事故死。だが、「あれは実は殺人だったのだと、ぼくがようやく確信するのにいたったのは診療所の共同経営者が死んでから2ヶ月が経った頃だった。いま思い返してみれば、最初から何かがおかしいという気はしていたのだ」。閉鎖的なコミュニティ、何ら根拠のない噂を振りまく、そしてそれを鵜呑みにする住民。原題「そして医師も死す」とは意味深..。嘘はもっての他だが、あちこちに潜む肯定も否定もしない、思わせ振り、ほのめかしで煙に巻かれると犯人に辿り着くには到底不可能と思える。2016/11/26

papako

64
50年以上前の作品だったんですね。王道のミステリー。事故死と思われた医者が実は殺されていた!調べれば次々に怪しい容疑者が。果たして誰が殺したのか?ラスト、くるっと視点変わって容疑者から犯人に。なかなか楽しめました。しかし、主人公の迂闊な言動にいらいらさせられた!しかし、ひどい扱いを受けるエリザベスが一貫していい女でした。色褪せない作品です。2016/06/30

タツ フカガワ

62
イギリスの地方都市で医師のギルバートがガス中毒で死亡。事故死として処理された2か月後、他殺の疑いが浮上、診療所の共同経営医師アランが独自に調査に乗り出すフーダニット小説。ではあるけれど、真犯人判明後にアランが下した人生の判断が面白かった。2022/02/11

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