出版社内容情報
山村で狼の歯形の残る羊の死骸が次々に発見される中、巨大な歯形の残る農場経営者の遺体が。狼か、狼男なのか? 仏ミステリ界の女王によるCWA賞受賞の傑作シリーズ第2弾。
内容説明
山村で狼の歯形の残る羊の死骸が相次いで発見された。そして喉に巨大な噛み痕のある女牧場主の死体が…。牧場主はある男を狼男だと主張していた。カナダ人の野生動物研究家と、村に暮らすカミーユは事件に巻き込まれる。ニュース映像に、かつての恋人カミーユを見出したアダムスベルグ警視が現地に乗り込んだ。フランス・ミステリ界の女王の傑作。CWA賞受賞シリーズ第二弾。コニャック・フェスティヴァル・ミステリ大賞ノワール賞、ミステリ批評家賞、仏サン・ダンクル賞、813賞受賞。
著者等紹介
ヴァルガス,フレッド[ヴァルガス,フレッド][Vargas,Fred]
フランス・ミステリ界の女王。『青チョークの男』でCWA賞受賞。『裏返しの男』でコニャック・フェスティヴァル・ミステリ大賞ノワール賞、ミステリ批評家賞、仏サン・ダンクル賞、813賞受賞
田中千春[タナカチハル]
早稲田大学仏文科卒、パリ大学で比較文学・言語学を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅はこべ
118
追う者と追われる者、ユニークなロードムーヴィー。羊の臭いさえなければ、ちょっとゆるキャンっぽくて楽しそう。フランスって意外と英語が通じないのね。ローレンスがフランス人は臭いと言うとか、シュザンヌをデブと呼ぶとか、人権意識の高いカナダ人にしては無神経な発言をするなと思ったら…狼男には毛がないって知らなかった。むしろ毛深いと思っていた。訊くはは一時の恥ってフランスにもあった諺か。ソリマンとハリバン、いいコンビ。アダムズベルク、優しいね。2019/11/24
星落秋風五丈原
37
冒頭はアルプスで話し合っている男二人。そのうちの一人でグリズリーと狼の研究家ローレンスは、何と狼一匹一匹に名前をつけている(シートンか)。更に禁じられていることだが、餌を獲れない狼にこっそり与えてもいる。研究対象としてもちょっと入れ込みすぎじゃないか。そんな時、羊がかみ殺される事件が相次ぎ、ローレンスはある男を狼男&犯人呼ばわりする。ちなみに狼男には毛が無いそうだ。じゃあなんで月夜の晩にあの姿になるか。それは本書でお確かめを。 アダムスベルグ警視は、その気もないのに初めての殺人をして女性に狙われてしまう。2020/11/21
藤月はな(灯れ松明の火)
35
一冊しか所蔵していないという予約戦争の末、ようやく読めたアダムスベルグシリーズ。羊を殺し、殺人を犯したのは狼かそれとも狼人間か?元彼女のカミーユは「ティファニーで朝食を」のホーリーをなぜか連想させました。犯人については見当が比較的、簡単につけられたのが少し、拍子抜けしました。この話での真の功労者はハリバン氏であろう。男は何時の世も呆れるくらいのロマンチストであり、女はそんなロマンチックな考えを遙かに跳躍する。若竹七海さんのこの本を評した解説は大きく、頷きたくなります。2012/09/16
*maru*
34
シリーズ2作目。アルプスの山村で大型の狼の犯行と思われる羊が噛み殺される事件と、パリで命を狙われるアダムスベルグ。序盤は狼事件に巻き込まれた署長の元カノ、カミーユがメイン。やはり独白や説明が多く独特のテンポで進む物語は、一見くどいようだが知らず知らずの内にそのペースに巻き込まれる不思議な吸引力がある。助けを求められたアダムスベルグがカミーユと合流してからがとにかく面白いし、カミーユ一行の珍道中に和む。特にハリバンに癒される。前作同様署長の閃きも冴え渡り、狼と狼男と殺人事件の絡め方も巧い。結末も良く大満足。2017/07/11
あっちゃん
30
シリーズものとは気付かず借りてきた!そのせいなのか、シリーズの主人公と思われる警視は控えめで、主人公の元カノがメイン(笑)日本だと狼男とは毛深い人のイメージ(私だけ?)だけどアチラでは違うのね!感想としては亀の甲より年の功!さすが(  ̄▽ ̄)2016/10/20
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- 和書
- 詰パラ発!激辛3手詰