内容説明
爛熟のゼロ年代から最新作まで名作・怪作・奇作を徹底レビュー。全原稿書き下ろしの『超クソゲー』シリーズ最新刊。
目次
特別企画 エロゲーライター虚淵玄2万字ロングインタビュー
車輪の国、向日葵の少女
ゴア・スクリーミング・ショウ
ヴァリスX―目覚めよ!ヴァリスの戦士たち
恋姫・無双―ドキッ☆乙女だらけの三国志演義
姫騎士アンジェリカ―あなたって、本当に最底の屑だわ!
遊撃戦艦パトベセル―こちら首都圏上空青空署
キラ☆キラ
魔法の少女シルキーリップ三人の女王候補
リトルバスターズ!エクスタシー〔ほか〕
著者等紹介
阿部広樹[アベヒロキ]
1970年大阪生まれ
多根清史[タネキヨシ]
1967年大阪生まれ。『オトナアニメ』スーパーバイザー兼フリーライター
箭本進一[ヤモトシンイチ]
1970年仙台生まれ。フリーライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梟をめぐる読書
12
エロ、グロ、陵辱、鬱、フェチ、パロディ、おバカ…。何でもいいが、とにかく何らかの方向に「突き抜けてしまった」ゼロ年代アダルトゲームを多数取り上げる。世界各国の首脳となった美少女たちが絡みの会話で生々しい領土談義を繰り広げる『幼なじみは大統領』などは18禁シーン抜きでも遊んでみたい…が、エロゲーという倫理的な「縛り」のない世界だからこそ、こういう自由な発想の作品もまた生まれるのだろう。いやもちろん、もっと「突き抜けた」作品は色々載っているのだが、如何せんモノがモノだけに文字に書き起こすのは憚られる…。2013/02/17
磁石
11
「オススメを教えて」と言われても、なかなかできないエロゲー。ソレはつまるところ、自分の性癖をカミングアウトしろとのこと。熱弁をふるったが最後、社会的・歴史的にも葬られてしまう。何とか万人受けしそうな、世間様のお目に触れてもいいようなモノにしなければならない。だがそうすると……、現状の惨状。黒い箱から溢れてしまった情熱はいまやラノベへと流れ込み、数万・十数万円の敷居の高さは千円未満のお手軽さに。それは日本中へと蔓延し、世界からロリ天国なる栄光を授けられてしまった。……このまま突き進んだら、どうなるやら2016/11/17
白義
10
ハードコア、とは言っても前作と比べて鬼畜な作品の分量が多いというわけでもなく、正統派本格大作から掟破りの人外や障害者萌えなど多様で混沌に満ちたエロゲーの世界を紹介する姿勢は変わらずで、2005年から2012年までの作品とぐっと今に近づいたので歴史というよりはまだつい最近という雰囲気がある。作品ガイドも面白いが三本のロングインタビューが特に秀逸、まどまぎ以後の虚淵玄がエロゲー業界や表現の自由について語る巻頭インタビューは当然のこと、School Daysの生みの親やエロゲー論壇の立役者、加野瀬未友と他も必読2017/02/15
辰城
4
つねづね、PCエロゲは往年の日活ロマンポルノのように、エロを入れれば何をやってもいいカルチャーだと思っていたのだけれど冒頭の虚淵玄2万字インタビューを読んで、「分別のある大人のための」カルチャーという冠詞が付くことに気付かされた。細々としたニッチなサブカルチャーというか、陰に蠢き、知る人ぞ知るアングラカルチャーであるが故の自由さだったと。まァ、 それを踏まえたうえでの超エロゲーの裾野の広さたるや。「分かっている大人たち」だけが正しく楽しめるアングラカルチャー。 それが、超エロゲーなのだと。2012/12/04
nata
1
レビューとしてはネタバレとか性的表現の縛りのためか、やや表面的な印象。インタビューの方が面白いし、資料的な価値もあるだろう。5年前の本なので、この頃エッジだったものが今では定着していたりという意味でも興味深いかと。そういう意味では全体の流れを俯瞰した本とか読んでみたい。『エロゲー文化研究概論』を読もうかしら。2017/04/08