出版社内容情報
解体され、内臓を抜かれた死体……解体屋事件と呼ばれる連続殺人事件の犯人は人形遣いと名乗る人間だった。遺体の声を聞くという独特なプロファイリング手法で数々の事件を解決してきた分析官は、死体から何を聞き出すのか?
内容説明
ドイツ、ケルンで続く猟奇殺人事件。被害者はいずれも腕や脚など、体の一部や内臓が失われていたため、“解体屋”事件と名づけられた。遺体とふたりきりになり、その声を聞くという独特な手法で捜査にあたる変人事件分析官アーベルと、その行動に戸惑い反発する若き女性分析官クリスト。ふたりが挑む「人形遣い」と名乗る犯人は何者なのか?ドイツミステリ界の大型新人登場!
著者等紹介
レフラー,ライナー[レフラー,ライナー] [L¨offler,Rainer]
1961年、ドイツ、バーデン・ヴュルテンベルク州生まれ。50歳で『事件分析官アーベル&クリスト 人形遣い』を発表するまでスーパーやガソリンスタンドの店長、機械工などの仕事を転々とした。仕事の傍ら、1985年から87年まで、ドイツ版「MAD」誌に寄稿し、98年からはライナー・ハンチュクのペンネームで世界最長のSF小説シリーズとして知られる“宇宙英雄ローダン”シリーズのファンによる二次作品や、同シリーズから派生した“アトラン”シリーズの書き手のひとりとして健筆をふるったこともある
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
74
ドイツ発サイコサスペンス。人間を解体する解体屋「人形遣い」と二人の事件分析官の戦いを描いている。こういうサスペンスは『羊たちの沈黙』以来一定の型があって、トラウマを抱える犯人、それに挑む刑事、登場人物の危機、そして解決という流れが多いように思う。本書もその流れに沿っているのだが、犯人のトラウマとかがちょっと類型的。あと事件解決もプロファイルとは違う所がヒントになっており、それもちょっと気にかかった。ただ最後の脱出方法等は利用したものが面白いかな。最近サスペンス読んでいなかったので、楽しんでは読めたけど。2018/06/07
GAKU
59
ドイツの作家さんのデビュー作。変わり者だが優秀な事件分析官アーベルと、彼の助手となった女性刑事ハンナ。解体されて内蔵を抜き取られる、猟奇連続殺人事件を追うという内容。私好みのジャンルでそれなりには面白かったのですが、なんとなくどこかで読んだような感は否めない。偏屈オヤジと、魅力的で優秀な女性コンビ。残虐な犯行。犯人の生い立ち。それぞれが新鮮味に欠ける設定でした。何かサビ抜きの寿司を食べたような物足りなさ。暫くしたら読んだことを忘れそう。微妙な1冊でした。2016/08/03
みみずく
35
新しいドイツミステリシリーズ。 一匹狼の事件分析官アーベルと、その助手となった若く優秀な女性警察官ハンナ。この二人がケルンで進行中の連続猟奇殺人事件の分析を担当することになる。とにかくケルンの首席警部グライナーがよかった!どんなドアも破れるくらいの巨漢で、少しはダイエットの文字が頭をよぎるけれど秘書に内緒でチョコを食べるのが好き。優秀でありながら、結果を出すためなら胡散臭く思う事件分析も取り入れようとする柔軟さ!あぁ、書けば書くほどグライナーとお別れするのがさみしい!この先また出てきて欲しい2015/11/28
み
31
う〜ん、なんで?あの2人が良い関係になったのか?読解力を上げなくては…。お話しもグロさは強烈だけど、意外性がなくて、ちと残念なり。赤堀先生風なキャラは好きでした、そちらのお話しあれば読みたいかも。2016/01/02
タカラ~ム
28
ドイツ発のシリアルキラー物のミステリー。独特のプロファイリング手法で事件分析にあたるアベールと、彼のサポート役として行動をともにする若き女性分析官のハンナ。そして、彼らが対峙する《人形遣い》と呼ばれる殺人鬼。シリアルキラー物は、ミステリーの題材としてはお決まりのパターンだが、本作もその王道にある。中盤以降の展開は疾走感もあって良かったように思った。2015/12/13