内容説明
スウェーデンの田舎町で、不動産業者の女性が消えた。失踪か、事件か、事故か?ヴァランダー警部らは彼女の足取りを追い、最後に向かった売家へ急いだ。ところが近くで謎の空き家が爆発炎上、焼け跡から黒人の指と南アフリカ製の銃、ロシア製の通信装置が発見される。二つの事件の関連は?スウェーデンとロシア、南アフリカを結ぶ糸は?CWAゴルードダガー受賞シリーズ。
著者等紹介
柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業、ストックホルム大学スウェーデン語科修了
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
152
マンデラ氏が釈放された後の南アとスウェーデンで繰り広げられる暗殺計画。前作で、スウェーデンミステリはマルティン・ベックが一番と思ったのを訂正。ヴァランダーやその仲間達も負けていない。刑事としての勘が鋭いのに、殺し屋からみた時には小太りの鈍そうな刑事が走ってると判断される外見。南アの殺し屋と話して激しく動揺してしまう純情さ。霧の中で羊に躓きながらも前進し、頑張る。フラフラでおかしくなると部下達がヘルプにくる。年老いた父親すら頼れる男になる。半分は南アの人物達の視点で話が進む710ページは、読み応えがあった。2018/07/04
セウテス
100
ヴァランダー警部シリーズ第3弾。空住宅を見に行き、事件に巻き込まれる女性が描かれる。行方不明になったその女性を探して、ヴァランダーたちは捜査を開始。すると警察が動いている近くで民家が爆発を起こし、黒人の指が発見される。今回描かれるのは、南アフリカの人種差別アパルトヘイトについてだ。スウェーデンの警察物語が、南アフリカの大問題に繋がるとは驚いた。あまりこの社会問題には詳しくはなかったが、アパルトヘイトとボーア人の選民思想は、民族対立とは次元が違う、人間暗黒史だと思う。本来の刑事物ではない所も、魅力だろう。2019/06/28
タツ フカガワ
73
不動産業者の女性が行方不明に。まもなく女性が向かったと思われる家の近くの空き家が爆発炎上する。焼け跡からロシア製の通信機と南アフリカ製の銃と黒人の指が見つかる。捜査に当たったヴァランダーは、やがて国際的陰謀に巻き込まれていく。警察小説と謀略小説の見事な融合! 前作も面白かったけれど、本作はその上をいく、痺れるような展開とマンケルの人物造形のうまさに酔いしたシリーズ3作でした。2023/08/03
キムチ
73
文庫本と舐めるなかれ!。ボリュームに圧倒されつつも読む進む・・だれることが無い・・どころか最後4分の一は「読みたくてたまらない」有様。中年小太り刑事ヴァランダーは何故にかくの如き恐ろしき敵に徒手空拳で立ち向かわねばならぬかは疑問のまま。ただスウェーデン・ソ連・南アを結ぶ線がこう繋がる事が驚く。そして今更ながら戦慄を覚えるKGB・闇の底が見えない南ア内の対立(ボーア人・ズールー族を含める)そして福祉国家スウェーデンの負の側面が滑稽にすら映った。標題のメタフォをはじめ 時折挟まれるズールーの霊が今一?のまま。2019/01/09
ゆいまある
72
3作目。テンポのいいミステリを読むつもりだったのが全く方向が違った。作者のマンケルさんはアフリカ暮らしが長く、人種差別問題に関心が深いとか。アパルトヘイト下の南アフリカ、人物それぞれの心理描写説明が長い。前半は黒人の暗殺者がソンゴマという精霊に語りかけながら話が進むんだけど、文体がポエムで読み辛い。後半になってもペース上がらない。ネルソン・マンデラが暗殺されないという落ちは既に知ってる訳で、謎解き要素もなく読むのに物凄く時間が掛かってしまった。文学的には読むべきところがあるのだろうが読みたい本ではなかった2020/02/09
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