出版社内容情報
「価値のないもの、誰も盗もうとはしないもの」だけを標的にする怪盗ニックは、引きも切らない多彩な依頼に大忙し。年齢を重ねても仕事の腕と頭脳は衰えず、予期せぬ危機にもとっさの機転で対処する。文庫版全集第5弾は、〈白の女王〉サンドラ・パリスとの共闘、ホック世界の名警官レオポルド警部やニックを名乗る偽者との対決、実在したミステリ書店が登場するクリスマス・ストーリーなどを含む全14編(うち本邦初訳9編)を収録。
エドワード・D・ホック[エドワード・D・ホック]
著・文・その他
木村二郎[キムラジロウ]
翻訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たち
31
怪盗ニックも5冊めになりました。なぜか、前より殴られたり、撃たれたり、が多いような気がします。今回は、ちょっと、ほろっとする『クリスマス・ストッキングを盗め』と白の女王こと、サンドラ・パリスの窮地を救った(この話だけじゃないけど)『レオポルド警部のバッジを盗め』、グロリア大活躍の『二十九分間の時間を盗め』がお気に入りです。2018/06/13
二葉
9
ますます怪盗ってよりも、探偵ぽくなったニック物。いよいよ次で最終巻。2018/07/08
harukawani
7
さすがに5巻まで来ると飽きちゃいますね、毎回毎回「大好き!」というレビューを書かないといけないことに。物語自体は飽きとは無縁。自分でも引くぐらい大好きです。今作はクリスマスストーリーとサンドラ登場作が多め。つまりは何を盗めと?というhowじゃなくwhatな謎が楽しい「二十九分の時間を盗め」、錯綜した事件、ニックが事件に首を突っ込む理由など読み応え抜群でシリーズ全体でも白眉の「レオポルド警部のバッジを盗め」etc.好きな作品は多いが、マイベストはタイトルと読後感のギャップが最高な「禿げた男の櫛を盗め」。2018/06/04
stobe1904
7
【怪盗ニックシリーズ5作目】価値のないものしか盗まない怪盗ニックシリーズの短編集。マネキンのカツラや客船の乗客の時間を盗むなど、突拍子もないものや不可能なものを盗む依頼を受けるニックだが、相変わらずのお手並みで仕事をやりとげ、おまけに付随的に発生する事件の謎解きまでやってみせる、とても楽しめるミステリである。未訳作品が少なくなりつつあるのが残念だが、次作を早く読みたい。★★★★☆2018/05/26
Naoko Takemoto
7
『無類の怪盗、凶暴になる』この一文に、水戸へ向かう常磐線の中で抱腹絶倒。水戸といえば『水戸黄門』。偽者ニックが登場した時には、ニセ水戸光圀が登場した回が面白かったなあと、そこからニックと東野英治郎の顔がダブって(誤読の極み)さすが に5巻目とのなると水戸黄門みたいな勧善懲悪が心をすくような読後感だった。ニックと白の女王もいよいよ年齢に勝てなくなって失敗しても、その苦境を乗り越えるのも結局人間関係なんだな。泥棒に学べるのもあと1巻となってしまった。2018/05/02
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