創元推理文庫 刑事たちの四十八時間

グレシアン，アレックス【著】〈Ｇｒｅｃｉａｎ，Ａｌｅｘ〉/谷 泰子【訳】

東京創元社（2014/09発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 466p／高さ 15cm
• 商品コード 9784488190088
• NDC分類 933
• Cコード C0197

出版社内容情報

奇怪な一家失踪事件の捜査に派遣された、ロンドン警視庁のディ警部補とハマースミス巡査長。刑事たちの苦闘の二日間。『刑事たちの三日間』を超える、ノンストップ警察小説！

内容説明

英国中西部の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁のディ警部補とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられた時間はわずか二日間。地下の坑道のため沈みゆく村を襲う原因不明の奇病、発見された不気味な目玉と血染めのドレス…。謎に次ぐ謎が刑事たちを翻弄する。迷信と因習が残る村の闇と、刑事たちの光がせめぎ合う、ノンストップ警察小説！

著者等紹介

グレシアン，アレックス［グレシアン，アレックス］ ［Ｇｒｅｃｉａｎ，Ａｌｅｘ］
広告業界からグラフィックノベルの世界を経て、２０１２年、本シリーズの第一弾『刑事たちの三日間』を発表。バリー賞、『ストランド・マガジン』批評家新人賞の候補となる。現在はアメリカ中西部に妻と息子と暮らす（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ちょろんこ*勉強のため休止中]

不気味な目玉を見つけ、動揺した少女が木から落ちるシーンで始まる。引込まれた。地盤沈下によって沈みゆく村、血染めのドレス、村民にはびこる得体の知れない奇病...おどろおどろしい雰囲気に満ちていてまるで西洋版の横溝正史の世界。行方不明の一家を捜索しに来た刑事達が明るくて、やたら”良い人達”だった。だからかさほど陰鬱な感じはしなかった。４８時間のタイムリミットがあり、やたらと展開が早い。RPGにようにサクサク進んだ。ミステリー部分はあっさりしているので、雰囲気や登場人物の会話を楽しむような一冊だと思う。

2014/10/28

[HANA]

シリーズ二作目。本作では大都会倫敦を離れた田舎町が舞台。行方不明になった家族三人を探すために派遣されたディ警部補とハマースミス巡査部長。ただ因習に支配されたその村では、奇病が蔓延しつつあり……。発見された目玉、奇妙なわらべ歌、流行する奇病、沈みゆく家と田舎ミステリ要素がたっぷりと含まれていて、その点では満足。ただやはりミステリとしてではなく、主人公たちの活躍を読む警察小説だなあ。キャラの造形はこの上なく魅力亭だし。あと人間関係等は前作を読んでいる事が前提の部分がある為、本書から読み始める人は注意が必要。

2017/06/19

[papako]

今回は炭鉱の町の親子が失踪した！ロンドンから捜査に向かったディとハマースミス、キングスリーの三人。与えられたのは二日間。果たして結果を出せるのか？眼球が見つかったり、伝染病が蔓延したり、坑道の崩落で沈みゆく町の未来は？思わせぶりな子供達。謎の人物などなど、否が応でにも緊迫感が盛り上がります。結果は、家族の幸せを願う気持ちが引き起こした何とも後味の悪い事件でした。父親の浮気心が全ての元凶ですね。ひたむきに捜査に向かうハマースミス、冷静に取り組むディ。三人の活躍にまた会いたいです。

2016/03/27

[鷺@みんさー]

先にシリーズ二作目を読んでしまったのだが、特に不自由はなかった。こっちを先に読んだのは、「ビクトリア朝のイギリス、迷信深い田舎町、地下にある巨大な炭坑による地盤沈下、謎の奇病の蔓延、古いわらべ歌、突如失踪した家族、純粋ゆえに不気味で残酷な子どもたち、と、横溝正史ばりに私の好きな要素がこれでもかとそろっていたから。特に子供たちが痛々しく、切なく、恐ろしかった。にしても一作目といい、「父と息子」に強いテーマがあるのかな、この作家は。

[本木英朗]

英国の警察小説のひとりであるアレックス・グレシアンの長編のひとつである。英国中西部の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁のデイ警部とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられた時間はわずか二日間。地下の坑道のため沈みゆく村を襲う原因不明の奇病、発見された不気味な目玉と血染めのドレス……。謎に次ぐ謎が刑事たちを翻弄する！という話だ。1作目に比べると、ちょっと今回は俺には残念であった。それでも一応、真犯人が誰かってところは分かったけれどさ。まあ、いいや。とりあえず以上です。

2021/08/14