創元推理文庫
昏い部屋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 629p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488187040
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

病室のベッドでジェインは目覚めた。謎の自動車事故から奇跡的に生還したものの、事故前後十日間の記憶を失った彼女。傷ついた心身を癒やす間もなく、元婚約者と親友がその空白の期間に惨殺されたこと、自分が容疑者であることを、ジェインは相次いで知らされる。誰を、何を信用すればいいのか。二転三転する疑惑が読者の心を揺さぶる、ミステリの新女王による鮮烈な第四長編。

著者等紹介

成川裕子[ナリカワヒロコ]
1951年沖縄に生まれる。1975年香川大学経済学部卒業。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みやび

5
事故で記憶喪失の女性の、婚約者と親友が惨殺されている。その事故や記憶喪失が本当かも含めた謎だらけの状態から始まる。科学捜査は一才ない。指紋すら出てこない。登場人物たちの複雑な関係からくる証言や会話から推理していく。古典的かも知れないけど内容は現代的で面白かった。みんな少なからずイヤなやつ。そこがリアルかな。2017/12/17

Gen Kato

4
最後まで影の人物である父親アダムの使い方がうまい。真犯人も意外だしそこに至る伏線もうまい。が、いちばんの読みどころは主人公ジンクスの性格の本質。まるで『女彫刻家』のオリーヴみたい。支配性のかたまり。ディーンへの脅しのかけ方、むかむかする。さんざん軽蔑していた継母や弟たちを手放さないのは、けっきょくは支配するための弱者が必要だからじゃないかと思わされる。「親友」メグとの友情らしからぬ関係も気色悪い。プロザロウ医師の今後が恐ろしい。2017/11/08

Yuji

4
自殺未遂で発見された記憶喪失の主人公。友人と婚約者の失踪。殺された元旦那。次第に彼女が疑われだし、読み手も、また彼女が信頼できなくなってゆく。真相は一体。。という感じ。じっくり読ませます。なかなかのものでした。2013/08/21

aralagi

4
「嘘をつくことは第二の天性」と言うジンクス。彼女の記憶が戻ってきても、それを伝える彼女の言葉を文字通り信用してもいいのか、読み進めても読み進めても、とにかく落ち着かない。今回も作者の術中に見事にはまってしまいました。ただ、最初は細かい描写がなされていたジンクスが、後半になると突然脇役かのようにお淡々と描かれるところは、読んでてちょっと違和感も……。とはいえ、暗闇の中を手探りで進んでいくような圧迫感、緊張感のある展開はやっぱり凄いと思います。とにかく続きがきになって、ページをめくる手が止まりませんでした。 2013/03/23

himehikage

4
ウォルターズの描く女性は、一筋ならではいかないことが多い。盛んに名前は登場しながら一度も姿は表さないで終わるジェインの父親の存在は不気味だが、ジェインはそれ以上に、本性を見せないしたたかな女に思える。2005/07/17

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