出版社内容情報
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことにする。だが到着の翌日に、アパートメントの隣室の女性の死体が発見される。女性の友人と名乗る男や向かいの棟の住人の話では、彼女とコービンは恋人同士だが、まわりに秘密にしていたという。そしてコービンはケイトに女性との関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか? 第二部で真相が明かされた瞬間に第一部を思い返し、驚きで戦慄する――。『そしてミランダを殺す』の著者が放つ衝撃作!
内容説明
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住居を交換し、半年間ボストンのアパートメントで暮らすことにする。だが新居に到着した翌日、隣室の女性の死体が発見される。女性の友人と名乗る男や向かいの棟の住人は、彼女とコービンは恋人同士だが周囲には秘密にしていたといい、コービンはケイトに女性との関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか?想像を絶する衝撃作!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
495
ケイトはサイコパスを引き寄せる体質なのだろうか。かつて、彼女の学生時代に、その後の人生を失わせるほどの体験を与えたジョージ。そこからようやく快復し(とはいえ全快ではない)、半年間の生活を送るべく向かったボストンで、またもや隣家の殺人事件に巻き込まれるのだから。彼女の回りに現れるのは、なんだか怪しげな男たちばかり。『羊たちの沈黙』などに比べると、確かにずっとソフトなサイコ・サスペンスである。ただ、より日常的である分だけ、逆にリアリティを持っているとは言えるだろう。なお、エンディングはなかなかに意味深である。2021/11/06
nobby
160
うーん、個人的にはもう一捻り期待してしまったけど、作者の真意はそこにあらずなのかな…まず見知らぬ又従兄と半年限定とはいえロンドンとボストンの住居交換するって事態が受け入れられず(笑)さらに登場する面々が揃いも揃って壮絶な過去やトラウマや異常を持ち過ぎ…謎めく人物達が徐々に重なり、各々の視点での描写から事実が明らかになる展開は面白い!ただ、どうしてもミランダの衝撃や疾走感と比べてしまうと少し冗長に感じたりあっけなかったり…独特で複雑な住居構造にもピンとこず…いや、あんなにアッサリ占拠されてたら怖過ぎるけど…2021/04/25
nuit@積読消化中
150
昨年の「そしてミランダを殺す」に続き、こちらも文句なしに面白かった!不安障害を抱える主人公ケイトの迷走していく様子も嫌いではない。どこか観たことのある(読んだことのある)シーンもいくつか出てきて、あとがきを読んで、なるほど!と思いました。とにかくこの著者の本は次が気になって読み進めてしまう傾向にあります(笑)。てっきり「そしてミランダを殺す」がデビュー作かと思っていたら「時計仕掛けの恋人」というのがあったんですね。さっそく読みたいと思います。2019/12/16
stobe1904
146
『そしてミランダを殺す』の著者による心理サスペンス。前作がとても面白かったので迷わず手に取った。ロンドンに住むケイトはボストンに住む又従兄のコービンと住居を交換してボストンで暮らし始めるが…。先が読めない構成で、何かがおかしいと不穏な気持ちを読者に持たせ不安定な状態にすることはとても上手だと思うが、盛り上がりに欠けた状態で終わってしまったのが残念。いくつかの場面でネコが良いアジを出していたのが印象的。小ネタとして村上春樹の書籍が登場した場面で改めて村上作品のアメリカでの認知度の高さを再確認した。★★★☆☆2019/08/11
ちょろこ
139
心臓バクバク、の一冊。又従兄のコービンと住まいを交換したケイト。交換した直後に起きた隣室での殺人事件。誰が隣人を殺したのか、まさか又従兄のコービンなのか。誰かが必ず嘘をついているはず…見知らぬ地で一人疑心暗鬼に駆られるケイト。これまたそそる要素、構成の巧みさで読み手を引きずりこむ一気読みのサスペンスだった。トラウマにまず心臓バクバク、展開に心臓バクバク…心理的な恐怖で最後まで読ませる。誰もがそれぞれいろいろな心の闇を抱えている…あぁ、人ってやっぱり怖い、最後にそう確信した。2020/02/07