出版社内容情報
空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し、協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の策略と攻防を描く傑作ミステリ!
ピーター・スワンソン[ピーター・スワンソン]
著・文・その他
務台夏子[ムタイナツコ]
翻訳
1 ~ 6件/全6件
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ミスランディア本棚
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新宿本店 コンシェルジュの本棚
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新聞書評(2018年)の本棚
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海外ミステリ、冒険小説、時々SF本棚
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One after 909本棚
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bugbear本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
853
各章はリリーをはじめ主要な登場人物たちの視点によって語られる(厳密な意味での一人称ではなく、三人称が織り込まれている)手法。これは十分に功を奏していると思われる。そして物語の中盤でのいきなりの大きな方向転換には唖然としつつも、その巧みな策術に乗せられてゆく。やや物足りない面もないことはないが、三者三様の(キンボールを含めて四者とするべきか)心理劇としてのドラマは大いに感興をそそるものである。最後をどんな風に結ぶのかと興味を持って読んでいたのだが、そのエンディングがまた実に上手い。海外ミステリーの上々吉。2021/04/29
W-G
759
面白かった。話の展開自体は、国内の新本格物と比べても、そこまで凝っている訳ではなく、その辺りを読み慣れている人であれば驚きは少ないかもしれない。ただ、こういうシンプルな仕掛けをズドンと放ってくるパワフルさは、海外作品にはあって国内ミステリにはあまり見られないものかもしれない。そういったところで、内容は全く違うが、近い国内作品として『容疑者Xの献身』を連想した。とにかくまぁ、男目線で見ると、テッドが哀れに感じるくらい、したたかな女性ばかりが登場する。著者の他の作品も気になる。2018/07/25
starbro
540
『このミステリーがすごい! 2019年版』海外編&〈週刊文春〉2018年ミステリーベスト10海外部門&「ミステリが読みたい!2019年版」海外篇(『ハヤカワ・ミステリマガジン』2019年1月号)いずれも第2位ということで読みました。官能ノンストップミステリ、好評価に違わず、予想外の展開で楽しめました。映画化されるようですが、ヒットの予感です。 http://www.webmysteries.jp/archives/14220924.html 【読メエロ部】2018/12/12
青乃108号
457
複数視点同時進行型犯罪小説。視点が変わる度に時系列が行きつ戻りつしながら物語が語られるので度々混乱しながらもその見事な構成に没頭して読んだ。なるほど。こういうオチか。登場する女性、ミランダとリリー、2人の魅力にああ、これは仕方ないなと巻き込まれやらかしてしまう男達の運の悪さに同情を禁じ得ない。と言いながらも1度は此のような女性にお目にかかりたかったなとも思う、やらかしたくはないけど。2023/08/09
nobby
342
いやはや何度仰け反り、身を乗り出したことか!?妻ミランダへの殺意を唆す見知らぬ美女リリー、その偶然とは思えぬ出逢いの真相が気になるばかり!2つの視点で描く章構成で、過去と現在を丁寧に追いながら、いざ実行への準備整った第一部ラストでまず絶句!その余韻醒めぬまま第二部冒頭で間髪入れずに示される衝撃!そこからは時系列ほぼ揃っての白熱の攻防にワクワクの一気読み!そしてまた後半の対決に意表つかれて悶絶…読者は既に把握している事柄を、双方が詮索しながら言動する様が絶妙。最後の手紙で匂わされる彼女の終幕がまたせつない…2018/12/27
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- 電子書籍
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