感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
11
クールでいて熱い、そんな男の復讐劇と被告がポイントな叙述トリックに翻弄される法廷劇という2つの物語が並行し、繋がっていく様を愉しむサスペンスミステリ。袋とじを設けるほどではないにしろ、主人公の専門分野がカットバック手法に活かされており、その流れからのラストは彼らしいフィナーレといっても過言ではない。ヨッ!マジシャン!!。。(*≧艸≦)2015/03/13
ヨッシー
11
楽しめましたが、現代においては、ミステリとしてちょっと……となるのではないでしょうか。袋とじをする程の真相とも思えませんし(ほぼ予想通り)。ただ1950年代袋とじがなされて出版されていたことを考えれば、ネタとして当時は新しかったはず。章ごとに交互に話が進むのも、当時なら真新しかったはず。とまあいろいろ時代的価値を付けてみましたが、そもそも小説として非常に面白いです。いわゆるビカレスクですね。飽きさせることなく続く展開には目が離せません。というわけで、何だかんだ時代を越えて読まれていってほしい作品です。2010/05/04
skellig@topsy-turvy
10
面白かった!最後まで心地よい緊張感に支えられた復讐譚でした。でも、正直に言えば「袋綴じ」ということで期待しすぎたかもしれない。もう少しどんでん返しを想像したので、思ったよりあっさりした結末という印象が残ってしまった。原作は1950年代だから、現代だともう少し細かく細工しないと厳しいのでは、と余計なお世話が脳裏を過ぎったり。でも作品の魅力は損ないません。主人公が奇術師である点、標的に迫る用意周到さ、裁判シーンと復讐シーンの交互描写など、引き込まれました。2012/12/25
惠
10
袋とじをするほどのことはないとは思うのだけれど、良く練られているという印象。展開(二部構成)は好みではないけれど、「私」部分には興奮した。よくぞやり遂げた!という点では大満足。2011/04/27
けいちゃっぷ
9
交互に語られる、「ある事件」の公判と「私」の行動。『慟哭』ですっかり一般的になった手法ですね。なかなかテンポも良くて、どちらも読ませる。ただし「私」のパートは袋閉じ前まで。その後はなんか失速しちゃった感じだな。232ページ2011/01/14