内容説明
晩冬のある日、中年の私立探偵ビル・スミスは、いつもは休暇を過ごすために訪れる州北部の郡で、初めて仕事を引き受けた。イヴという女性の依頼は、自宅から盗まれた品物を取り戻すこと。だが調査を開始したとたん、彼は死体の発見者となり、家出少女捜しを頼まれ、何者かに襲われるはめに…。ビルとリディアがマンハッタンを離れて、複雑な事件と取り組む、シリーズ第六弾。
著者等紹介
直良和美[ナオラカズミ]
東京生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
25
ビルが主役のシリーズ6作目。ニューヨークを離れて寂れた街での事件なんだけど、街の人たちの息遣いも聞こえる物語でありました。シリーズ通してビルとリディアの会話が楽しいけど、上手いよね~。ローザンの魅力かな。盗難された絵を探して行きながらあぶりだされる人の裏側。やっぱりリディアが居なくちゃね!もっと読まれて欲しいシリーズだよ。2015/11/21
kyoko
19
再読。ビル編。終始一貫ハードボイルド。酒と暴力がずっと続くがバックは内田光子のモーツァルト。たまらん。ローザン先生相変わらず自然や建造物描写が素晴らしく、堪能させてもらった。ビルの魅力たっぷりだけどリディアもいい味出してるし、コンビも円熟してきた。ちなみに1999年原書発行ということで、ビルは携帯電話は持ってるがまだ使ってない。ビルの周辺の人たちのいろんな思いが交錯し、ラストに向かっての盛り上がりが素晴らしかった。面白かった。2022/09/21
ほちょこ
15
リディア&スミスシリーズ6作目はスミスが主役。地味な探偵だけど、ほぼ毎回のように頭を殴られ、ボコボコにされている。スミスの頭が心配。それでも立ち回りがリディアよりスマートだし、論理的。読む側としては、リディアが主役の巻より安心して読める。2016/08/10
Masa
12
読了。相変わらずの面白さでたまらない。ビル視点からみるリディアとリディア視点のリディアの印象が微妙にずれている。そのあたりが個人的な面白さの一つにもなっているかなぁ、と。ビルの物語はいつも重厚。男気を感じて非常に共感できる。煙草もコーヒーも同じように嗜む自分は20年ぶりにピアノの練習を再開してみた。あとはビルのようにタフになるだけだ。最も、毎回まいかいあんな傷だらけになるのは嫌なんですけれど。いやしかし、このシリーズ本当に面白いなぁ。2017/05/11
tom
9
シリーズ6作目。安定した面白さ。今回は、身元を隠して活躍する女性画家が登場。それにしても、さんざん殴り、殴られ、蹴られとしているのに、主人公のビル(アマチュアピアニスト)は、どうして指を傷めないのだろうと不思議でならない。2012/09/12