出版社内容情報
ふと知り合った脚本家志望の娘がピーターのアパートメントで首を吊っていた。不貞を疑われ、ついには殺人の容疑者になって人生最大の危機に陥るピーター。パズルシリーズ続編。
内容説明
愛妻アイリスが母親に付き添ってジャマイカへ発った日、ピーター・ダルースはナニー・オードウェイと知り合った。パーティーで所在なげにしていた二十歳の娘は作家修業中だという。ピーターは父親めいた親切心を発揮して執筆の便宜を図ってやる。やがて待ちに待ったアイリスの帰国、喜び勇んで迎えに行くピーターは、とてつもない災難に見舞われることを知る由もないのだった…。
著者等紹介
白須清美[シラスキヨミ]
1969年山梨県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょろんこ*勉強のため休止中
139
プロットの巧さ、ミステリーとしての伏線のきっちりした張り方、室内が多いこと、台詞での感情表現等から舞台劇を連想した。畳み掛けるように新事実が判明して、二転三転する展開。毒蜘蛛のような悪女の死によって次第にがんじがらめになっていく主人公の焦燥感は、古典的だが読み応えあった。謎解きの面白さも久しぶりに堪能した。後書きにあるように刑事の存在感が際立っており、本当にコロンボを彷彿とさせた。ただ主人公の女性に対するあまりの脇の甘さには呆れた。事件に巻き込まれたのは自業自得と言われても仕方ないのでは...?2014/06/12
犬こ
22
会ったばかりの女性が夫婦の自宅で自殺。深い関係はないよ~という夫に妻に友人たちが欺瞞の目。結末はありがちだけど、この作家のテンポがとてもよく、お気に入りにの作家になりそう。1952年に発刊のミステリーですが、まったく古くない。2014/12/29
cinos
16
ピーターの親切心というか、持たざる者への同情心から窮地に陥っていきます。はりめぐらされた蜘蛛の糸に絡められていき、絶対絶命と思わされます。伏線も張られちゃんとミステリしています。クウェンティンのミステリ、自分と波長があって、大好きです。パズルシリーズから順番に読んでほしいです。2018/01/31
けん
16
【面白かった!】 60年以上前の作品ですが、古さは特に気になりませんでした。スマートな文章と、事件の内容が徐々に紐解かれていく流れに吸い込まれ、犯人当てを試みましたが見事に外されました。他の過去の名作にも、もっと出会いたいと思いました。2014/11/06
Cinejazz
15
メスに貪り喰われるオスは、メス蜘蛛の習性どおりに餌食になる哀れな運命にある・・・。ミステリ-界の技巧派【P・クエンティン】による本作は、身に覚えのない罪で警察に追われる男を描いたサスペンスフルな犯罪ドラマの秀作です。〝オス蜘蛛はメスを殺さない、蠅も蜘蛛を殺さない、女郎蜘蛛を殺すには天敵が必要になる、その天敵とはスズメバチだった!〟喧騒のニューヨークを舞台に、被疑者自らが真犯人割り出しに奔走する緊迫のミステリ-です。2020/04/14
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