内容説明
完全犯罪を実行したジュリアンは、無人のビルのエレベーターに閉じこめられてしまう。36時間後にようやく外に出た彼を待ち受けていたのは、まったく身におぼえのない殺人容疑だった。アリバイはあるはずもなく、閉じこめられていた理由は決して明かせない!偶発する出来事が重なり、追い詰められていく男の苦悩と恐怖。胸苦しいほどの焦燥を見事に描ききった超一級サスペンス。
著者等紹介
宮崎嶺雄[ミヤザキミネオ]
1908年生まれ。東京大学心理学科中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みっぴー
57
詰めが甘い(笑)お気に入りさんのレビューを読んで、まさしくその通りだと思いました。高利貸しを自殺に見せかけ殺害。しかしなぜか別件の凶悪事件の犯人としてしょっぴかれてしまう。。。天網恢恢疎にして漏らさず。あー映画の方も視たいなぁ。2017/10/16
山ちょ13
21
「死刑台のエレベーター/ノエル・カレフ」読了。映画がかなり有名。でも、やっぱ原作が先。世の中悪いことやったら果てまで運命に追われるってことでしょうね。悪者は逃れられない。人間の心の動静もしっかり描かれていて、次々と行われる行為に大体は納得がいった。良いことではないんだけどね(笑)2016/07/03
jima
18
1956年フランスで出版。映画も有名。殺人を犯した主人公が完全犯罪に思えていたのに、エレベーターが止まり、外ではいろいろな事件が。誰が誰やらわかりにくさはある。何十年ぶりかに読んだ。2019/04/13
藤月はな(灯れ松明の火)
18
映画としても有名(残念ながら映画は日本版も観ていません)で桜庭一樹さんの「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」でも登場していたので読みました。完全犯罪を目論む主人公の妻の痛々しさを装った無自覚で気まぐれな自己中心的言動にはにっこりと笑って張り手を食らわしてやりたい位、虫唾が走りました(怒)ジャンヌには一部、共感できましたが。無関係にも関わらず、別々におきた事件の被疑者にされ、主人公の完全犯罪だけが成立したのはあまりにも滑稽で皮肉としか言いようがありません。これが人生なのか・・・・。2011/05/20
きりん
16
はるか昔に映画を見たような、日本のも見たような…が、何も覚えてなかった。 完全殺人を目論んだのに深夜のエレベーターに閉じ込められる主人公…これは主人公なのか。彼を起点とするけれど、妻、義理の兄夫婦、車を盗んだ恋人達、旅館の夫婦、キャンピングカーで野宿する夫婦、の話。一応最後に彼に戻るけれど、その間の話の厚みがこの本。その中でも、大言壮語するフレッドを信奉しつつもどこか実際的なテレザがわたしはとても好き。 それにしても、フランス人の名前はジャンヌジョルジュジュリアン…ジャジュジョだらけで男も女も混乱する。2025/06/28




