内容説明
大胆な構図、繊細にしてエキゾチックな描線でイタリア漫画界に革命をもたらした知られざる天才セルジオ・トッピの代表作がついに初邦訳で登場！
著者等紹介
トッピ，セルジオ［トッピ，セルジオ］ ［Ｔｏｐｐｉ，Ｓｅｒｇｉｏ］
１９３２年、イタリア・ミラノ生まれ。１９６０年、イタリアの有名雑誌『コッリエーレ・ディ・ピッコリ』でデビュー。以後、数々の作品を発表し、その大胆な構図、白黒の繊細な描線により、イタリア漫画界に新風を吹き込んだ。２０１２年逝去
古永真一［フルナガシンイチ］
１９６７年生まれ。現代思想の研究の他、ＢＤに関する著作や翻訳も手掛ける。現在、首都大学東京准教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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Bo-he-mian
12
イタリアの神童セルジオ・トッピのコミックス、日本での奇跡の刊行。「千夜一夜物語」の世界を、白黒(一部カラーも)のペン画描法を極限まで追求した描き込み、クリムトのような装飾性、だまし絵のような奇抜な構図、モザイク画のようなめくるめく絵運びで描き出す。エキゾチックで原初的。模様をコラージュしたような岩や砂漠などが奇怪な形を織りなすビザールな風景。暗闇や呪文を纏っているかのような人物の出で立ち。どこまでもたなびいて往くように波打ち、躍り、のたうつ髪や布。魔術的な画力に圧倒され、頁をめくる度にため息が出る。2018/02/17
すけきよ
9
うーむ。美しい……2013/12/03
ａｎａｔｒａ
2
イタリア漫画。銅版画の様な繊細な絵柄にコマにとらわれない自由な画面構成。アラビアンナイトを巨匠セルジオ・トッピが描く。御話は1話目で聞き役の王と語り部役のシェヘラザードが登場しこのあと10話の短編物語を語っていく。原作の千夜一夜物語を読んだことが無いのだがあとがき曰くほとんどが原作を元に創作した御話の様だ。著者はモノクロ絵が好きな様だが出版社の要請で彩色したという2つの話も他とは違った雰囲気で良い。幻想的なアラビアンナイトの世界をトッピの独特の絵で描かれる世界観はとても素敵。表紙が好みの人は是非読むべき。2019/09/12
龍國竣/リュウゴク
2
コマという分節によって、時間の推移を、物語を紡ぎ出してきた漫画。しかし、この作品にはそれが殆ど見受けられず、一枚絵として存在している。それでも、語りは存在しているのだ。クリムトに似た絵で紡がれる耽美的な話。退廃的な風味が全体を彩る。2013/10/28
鳴蝉
2
カラー頁もいいですが、白黒の絵が非常に好きです。どういう線の描き込みをしているのだろうと、じっくり見てしまいます。表紙のカラー絵に心惹かれ、白黒の線画に魅せられて購入しました。悔いはないです。2013/10/17
