出版社内容情報
おばあさんが大切にしていたスプーンを、からすが持っていってしまいました。ところが……。さわやかな色調の絵と、口調のよい文章とがあいまって、楽しい物語の世界をくり広げます。
<読んであげるなら>4才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
257
神沢利子・文、富山妙子・絵。1969年刊行と、かなり古い絵本。お話は、小川で落としたおばあさんのスプーンが、カラス、ネズミを経て帰って来るというもの。中心をなすのは、ネズミたちがスプーンで遊ぶあたりか。絵もまた文に呼応して素朴なタッチである。木炭画に彩色を施したもの。文も絵も、時間が緩やかに過ぎてゆくのを楽しむといった風情。今の子どもたちにも受け入れられるといいのだが。2025/02/21
やすらぎ
146
ミステリアスなおばあさんが表紙の絵本は、森の中に潜む魔女のお話かと思ったら、愉快でハッピーになる物語だった。一本のスプーンをとても大切にしていて、いつも磨いてぴかぴかで、カラスに狙われて奪われてしまう。それなのにあまり大切にされなくて手放され、いつしかネズミの手に渡って愉しい展開になっていく。この見たことのない形をした銀色に光る物体は何かな。分からないけど楽しいね。さて、ところでみんなは、スプーンを覗くとなんで顔が逆さに映るか分かるかな。反対側に映る顔はそのままの向きなのにね。それはおばあさんの魔法かな。2025/02/24
のっち♬
127
おばあさんの元からカラスに持ち去られたピカピカに磨かれた愛用スプーン。神沢は「スプーンが好きで磨くのも大好き」らしく、その凹みに着目し、幼少時サハリン村で乗った湯たんぽソリの思い出を重ね合わせて錬成されたのが本作。富山の作画は屋内も自然も端正かつ落ち着いた温かみがあり、物語の牧歌性を下支えしている。「でぶちん」「やせっぽ」といったねずみたちの呼称や、ソリに乗って「ちゅっくちゅっくちゅりちゅり」と喜ぶ独特の語感にノスタルジーが漂う。おばあさんがこの寒さで何故に窓を開けたまま編み物をしていたのかは謎。換気か?2024/01/06
chiaki
34
雪降り積もる冬の絵本。リズミカルな文体が心地よい。おばあさんの古いスプーンは、大切に磨かれるからいつもぴかぴか。ある日からすが飛んできて…。ねずみたち大活躍!2歳の次女に読み聞かせ。「からすわるいねぇ」と感想をもらしてました。2020/01/22
鴨ミール
33
おばあさんの顔が怖い(笑)だから低学年で読んでみたいです。2024/01/11
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- 和書
- 仏像図鑑 〈下巻〉