感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
83
1938年出版英国ハードボイルド+バイオレンス小説。このままでも十分衝撃的内容であるが、初版作品は読むに堪えないほどの嗜虐的内容表現であったらしく当時社会的センセイションを惹き起こしたとのこと。舞台は米国ミズーリ州(?)。チンピラヤクザグループが大富豪の超美人令嬢を誘拐し多額の身代金を手に入れるがそれを上位のヤクザグループが殺人の上横取りする。父親に依頼された探偵フェナーが「警察を指揮して」解決する。物語は心理場面が少なくハードに進行し、それが却って凄絶さを想像させて迫力満点だった。G1000。2023/03/20
NAO
76
【刑事・探偵週間参加】書籍関係の仕事柄、イギリスでもアメリカギャング小説の需要が多いことを知り、それに応えるために書いたという、イギリス発のハードボイルド。美貌の令嬢を誘拐したギャング。その獲物をさらおうと、実力で介入してくる第二のギャング。暴力の限りを尽くす殺し屋たちの間をたらいまわしの様に連れまわされるミス・ブランディッシ。徹底的な暴力行為を描くことこそが大事なのだとでもいうように被害女性には名前すら与えられていないこと、また、ラストの言葉が強く印象に残った。2019/02/23
セウテス
59
〔再読〕作者デビュー作品。本格推理小説の王国イギリスに、初めて自国で誕生したハードボイルド作品です。チンピラグループが、大富豪ブランディッシの娘がつけているアクセサリーを盗もうと計画する。しかし、彼女の婚約者を殺害してしまい、彼女を誘拐した事から物語は始まる。別のギャングが入り込んで来て、警察や探偵と入り乱れた展開となる。性と暴力を真っ正面から描いた本作は、発表当時は凄いインパクトがあっただろう。誘拐された娘が、長い時間別の環境に置かれ、その環境に慣れてしまうのは現実だろう。ラストの言葉は、たいへん重い。2018/04/17
星落秋風五丈原
21
【ガーディアン必読1000冊】 牛肉王の娘であるミス・ブランディッシが、ライリー、ベイリー、サム爺さん一味に誘拐される。ところがブランディッシはこの後女頭領グリッソンのお袋が率いる別の一味に誘拐される。グリッソンのお袋の息子であるスリムが悪だくみに気づいてかっさらってしまうのだ。ここまでは冷徹な計画に基づいた行動が成されてきたわけだがスリムがブランディッシに惚れてしまった事から歯車が狂う。身代金を渡しても彼女を手離そうとしないのだ。金をもらってずらかれば見つかる恐れはないものの、愛息の恋心を無下にもできず2024/03/19
ポルコ
17
初めて読んだハドリー・チェイス。主人公だと思っていたギャング一味がいきなり殺されてしまったり、中盤から現れたタフな名探偵が活躍したりと、先の読めない展開が楽しい。探偵フェナーの暴力的だが、女性に優しいところが魅力的で、相棒ポーラも出番は少ないが可愛いらしい。2022/07/26
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