感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cinos
14
『幻の女』のような妻の消失を扱った「消えた花嫁」は絶品。それ以外は皮肉なオチの短編が多い。「検死」の真相、「街では殺人という」の島田先生ばりの意外な真相と、とても満足できる短編集です。2017/07/02
elf51@禅-NEKOMETAL
6
入手やや困難本。アイリッシュの短編集は巻数によってかなり品薄になる。発行部数自体が少なかったのだろうか。 ウィリアム・アイリッシュの文章は実に美しい。短編では,複雑な人物関係,トリックめいた仕掛けがない分すっきりして読みやすい。話の持って行き方もうまく,ラストも実に粋だ。タイトルの「死の第三ラウンド」がいい。思わずにんまりする。 2021/01/15
Tetchy
4
アイリッシュの独特の設定、シチュエーションは短編でも遺憾なく発揮されており、ドラマや映画のネタに困ればアイリッシュを読めば、そこに斬新なアイデアが詰まっているとでも云いたいくらいだ。今回収められた7編は全て水準作であり、可もなく不可もない。これは前半のサスペンスが一級品であるのに対し、後半の結末、特に真相解明になるといやに陳腐な印象を受ける。物語の構成はいいものの、最後のアイデアがいただけない。パルプ作家時代の早書きの特徴めいたものが見受けられた。しかし設定は素晴らしい。現代作家も見習うべきだと強く思った2009/09/17
こみっく
3
若いカップル、犯罪者コンビ、手練れの作家、元ボクサー、刑事親子と登場人物はバラエティーに富んでいる。短いお話でも十分に感情移入ができ、短編にありがちな消化不良感がない、お手本のような作品ばかり。2020/05/04
まぬー
2
再読‼️かなり昔に購入した本なので字が小さいのが難点。アイリッシュは短編も長編どちらも良い。ベストは親子の和解がテーマの「チャーリーは今夜もいない」★★★★2022/01/09