出版社内容情報
「デヴィンが来る」。父の友人から連絡を受け,フランクは人里離れた氾濫湖へ向かった。父を裏切り、自殺へ追いこんだ男を殺すために。だが途中で車の衝突事故を起こしてしまう。相手は身元を隠した不審な男で、なぜかデヴィンのキャビンに滞在していた。さらに旧知のFBI捜査官がデヴィンがフロリダで銃撃されたと告げる。父親の死の真相──そして不可解な事件が描き出す物語の全体像とは? LAタイムズ最優秀ミステリ賞受賞作。
内容説明
「デヴィンが戻ってくる」―父の友人から連絡を受け、フランクは氾濫湖へ向かう。父を裏切った男を殺すために。だが途中で車の衝突事故を起こしてしまう。相手の男は、謎の美女とデヴィンのキャビンに滞在していた。さらにデヴィンが何者かに銃撃されたという情報が入る。予想外の方向へ疾走する復讐の行方、そしてある人物の断片的な心理描写が最後に示す、父親の死の真相とは?ある青年が辿った復讐と救済の軌跡。LAタイムズ最優秀ミステリ賞受賞。
著者等紹介
青木悦子[アオキエツコ]
東京都生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
24
不名誉な死に方をした父親を追い込んだ男への復讐に向かったはずが、別の事件に巻き込まれてしまった息子。死体がいくつも転がるノワールでありながら、あらゆる闘いを父親に仕込まれた息子フランクの安定した強さが、時々小気味良くキマる。父親の友人も老兵でありながら冷静でいて的確なスナイパー。謎の女レニーの引き際もかっこよく、読後感はわりとすっきり。父親に絡む真相におっ、と思うがそれすらも割り切った爽やかさを感じてしまった。出てくる人物が皆きっぷがいいのでノワールのいじいじした雰囲気がなくていい感じ。2020/12/26
hikarunoir
10
目的は復讐。単なる偶発に思えた全てが繋がって行く。次第に負い目を感じる若き主人公と元々負い目のある縁深き者ら。大事になる程腰が引けるが強い。2025/04/03
けいちゃっぷ
10
前に読んだ『冷たい川が呼ぶ』よりはまとまっているかな。 つかみの部分でいささか混乱したが、それを過ぎれば快調。 主人公の祖父と父は戦争の英雄であり、彼は父に武術を徹底的に叩き込まれる。 父を心から尊敬していた子供時代だったが、ある出来事があってから反転してしまう。 それから7年後、ついに物語は動き出した。 後半の湖のシーンは血湧き肉躍るほど痛快。 主人公が殺したいほど憎んでいる男もいい味出してるし、最後まで走り切った感がある。 477ページ 2015/11/30
himehikage
9
積ん読消化。過去の背景描写や人物描写が足りない気がする。主人公にいまいち共感できず。する必要がないのかもしれないが2022/08/16
しゃお
5
主人公が抱え続けてきた純真さが物語を加速させていくものの、それゆえに結末は少々青臭い。けれどもその青臭さゆえに心地よい読後感与えてくれました。2011/10/24