感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
59
エラリー・クイーンが本格小説の作家たちが書いた犯罪小説をピックアップしたアンソロジー21編。アメリカのノーベル文学賞作家シンクレア・ルイス、パール・バック、スタインベック、ヘミングウェイ、フォークナー。マーク・トウェイン。イギリスの、モーム、ディケンズ、ゴルズワージ、H・G・ウェルズ、ハックスレー、スティーヴンスンなど、錚々たる作家の作品が並んでいる。シンクレア・ルイス、パール・バック、マーク・トウェインの作品はシニカル。サマセット・モーム、スティーヴンスンは「さすが」と感じさせる描写力。2024/01/10
くさてる
17
純文学畑で名を上げた作家たちによる「犯罪文学」アンソロジイ。古い本だけど、さすがの粒ぞろいでとても面白かった。モーム「園遊会まえ」には読後うめいてしまった。フォレスター「証拠の手紙」は先が読めるもののなんともせつない。サーバー「安楽椅子の男」は素晴らしい!スティーヴンソン「マークハイム」は読後襟を正したくなる話……などなど、印象的な話がたくさんでした。良かったです。2020/03/04
Tetchy
16
いわゆる文豪と云われる非ミステリ作家たちの手になる犯罪を扱った作品を集めたアンソロジー。本書が『ミステリ傑作選』ではなく「犯罪文学」と題しているのはここに収められた諸作が犯罪を扱いつつも、ミステリのロジックやトリックなど、サプライズを主眼にした物ではなく、あくまで犯罪を介入することで人々の感情の機微や心境の変化、隠された記憶や振舞いなど、心理面を扱った作品だからだ。ただ惜しむらくは訳が古くて非常に読みにくいこと。クイーンが後期クイーン問題に直面した時期にこのようなアンソロジーを出したことが興味深い。2011/01/11
アトレーユ
11
気になる作家のみで構成されたアンソロジーといっても過言ではない。スタインベック、トウェイン、フォークナー…やはり泥臭いのがお好み。どの作品も窃盗、殺人などミステリ要素はあるのだが、焦点はそこではなく人間心理だったり、と、そこはやはりブンガクなのだな。2024/08/11
Ribes triste
9
トリック先行よりも、人間ドラマが繰り広げられる犯罪小説の方が私は好きなので、これはもうツボでした。未読のディケンズが読めたのが嬉しかったです。2015/08/26
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