感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わび
1
大平正芳に相談役として仕えた伊藤昌哉が見た、ポスト佐藤からハプニング解散までの70年代派閥抗争史。真面目ぶった理想論も具体的な政策論争もこの書には出てくることはなく、ただただ権力欲に突き動かされて暗闘を繰り広げる政治家達の姿が描かれる。特に、著者が嫌悪する(にも関わらず大平と協力関係にあった)田中角栄の描かれ方は凄まじい。所々に出てくる著者の信仰についての記述には面食らうし、ある程度の知識を持ち合わせていないと読みにくさはあるが、ひたすらに剥き出しの権力闘争を行う三角大福中の姿はたまらなく魅力的である。2019/03/07
NoDurians
0
今とは全然違う政治の姿。よしあしは簡単に言えることではないが、骨太さは明らかに当時の方があったのだろう。2021/09/27
kota
0
昭和40年代半ばから50年代半ばにかけて。1ドル250円の時代。佐藤栄作首相後の日本の政界は激動していた。政治の頂点の座を争い、三角大福中が死闘を繰り広げた。良い意味でも悪い意味でもアツかった。著者は池田勇人首相の秘書を経て、一時政治の世界から離れるも、大平正芳の私的相談役として名を残した。通称ブーちゃん。その名からは想像もできないほど、知性の高い人物だった。続・昭和の怪物を読んで本書を手に取った。当時の生々しい政治の駆け引きを知ることができたのは興味深かった。2019/06/30