感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
27
派手で人目を引く演出の裏側にシンプルなトリックを隠す、まさにマジックの手法。ポルターガイストに心霊写真と蘇る男のオカルトを盛り上げ、マーリニのペダンティズムで補強する念の入れよう。マーリニが信用されていないから情報を得るのが盗み聞きになっちゃうのがご愛嬌か。不可能犯罪を検証しないままどんどん事態が展開し、ラストに推理合戦を繰り広げても読者を煙に巻き続ける。もって回った台詞が古いの訳文とあいまって鈍重に感じるのは否めないな。2017/01/04
いっくん
24
軽いタッチと思いきや、饒舌で読みにくい。化成会社社長のウルフ。死を異常に恐れるウルフの周りで怪異現象が続くが…。奇術師マーリニが探偵役。密室殺人、幽霊、生き返る死体と怪異な雰囲気な筈なのに、全くイメージが湧かない、怖くない。推理も二転三転するんだけど…。ロースンの作品はこれが初めてですが、もうお腹いっぱいです(*_*)2017/01/17
タッキー
12
カーと並ぶ密室の名手クレイトン・ロースンの作品。この作者の作品を読むのは初めて。殺されて埋められた恐喝者が、その直後から殺人者の屋敷内を徘徊。これは幽霊なのか、それとも誰かのトリックなのか。と言っている間に、その殺人者が、密室で何者かに殺害されるという事件が発生というストーリー。謎の仕掛けは面白い一方で、トリックはなるほどと思う部分と、ウーンと思う部分が入り混じっている気がしました。最後は犯人を巡って二転三転した推理が繰り広げられ、悪くはなかったのですが、少し冗長にも感じました。2021/07/24
spica015
8
今となってはお馴染みの古典的トリックも面白いし、奇術師マーリニだからこそ解き明かせるトリックも面白い。しかしいかんせんストーリーが饒舌で冗長である。ロスとケイの恋の行方や、不発に終わる犯人に仕掛けた罠などはドタバタ劇で愉快だけれどちょっと疲れる。そしてその分、要である死なない男の怪奇さが目立たなくなってしまう。犯人の目星はだいたいついたのに、途中のミスリードにまんまと嵌まってしまった。2016/12/30
Jimmy
3
結構、軽妙な語り口で読みやすそうですが、結構、くどいですね会話が。トリックの節回しもくどくて飛ばし読みしました。物語としても、せっかくケイとロイの恋仲が全然膨らませず、意味があったんでしょうか? うまくするとマローン、ジェイク&ヘレンの黄金トリオのドタバタ劇の味を出せそうだったのですが。2016/12/28