出版社内容情報
忌まわしい〈バスカヴィル家の犬〉の伝説、全身から光を放つ巨大な生物の目撃談……。怪異に満ちた殺人事件に挑む名探偵ホームズ。シリーズを代表する名長編、新訳決定版。
内容説明
名家バスカヴィル家の当主が怪死を遂げた。激しくゆがんだ表情を浮かべた死体の近くには巨大な犬の足跡があり、土地の者は全身から光を放つ巨大な生き物を目撃していた。それらの事実が示唆するのは、忌まわしい“バスカヴィル家の犬”の伝説にほかならなかった…。寂莫とした荒れ地を舞台に展開する、恐怖と怪異に満ちた事件の行方は?シリーズ屈指の傑作長編、新訳決定版。
著者等紹介
深町眞理子[フカマチマリコ]
1931年生まれ。1951年、都立忍岡高校卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
90
<マンスリー・ホームズ>「バスカヴィル家の犬」ホームズは短編の方がキレが良い印象を持っているが、代表的長編の本作を読んで特にそう感じた。映像化も何度もされているが、ひとえに物語舞台として選ばれたダートムーアの荒涼とした自然が与えるイメージが寄与する部分が多いと思う。途中、ホームズは姿を消しワトソン博士のみによる事件調査、あまり起伏もないストーリー展開、殺人動機とトリックの軽薄さ...。あれ、こんなに肩透かしだったかな?っと拍子抜けする。読後印象が全く変わった一冊。2019/06/04
ほりん
36
デヴォンシャーのパスカヴィル家には、恐ろしい魔犬の伝説があった。そして、つい先ごろ、館の近くのムーアで散歩中に急逝した当主の遺体のそばには、犬の足跡らしきものがあった。死の真相は?相続人は魔犬の牙を逃れられるのか?ムーアという草原と沼地の広大な原野が舞台。晴れた朝には美しく輝くが、嵐の夜は不気味にざわめき、踏み込んだら逃れることができない沼沢孔(ボグホール)という穴もあるとのこと。物語の不気味さを演出している。ホームズの鮮やかな推理の腕、人柄の良いワトソンとの名コンビぶりなど、楽しんだ。2019/02/14
ホームズ
36
新訳で再読。シャーロック・ホームズ・シリーズの長編の中では一番好きな作品。何回読んでも楽しめるな~(笑)バスカヴィル屋敷と沼地の雰囲気がいい感じで物語に入り込める(笑)2013/03/09
かさお
32
謎解きミステリというよりは、ホームズとワトソンの大冒険、陰鬱な荒れ地での恐怖の魔犬伝説、雰囲気を堪能したという感じ。全く関係ないけど、ムーア(荒れ地)という言葉が出てくる度に、ガラスの仮面でマヤが嵐が丘のキャシー役をしていたところを思い出し、臨場感たっぷりに想像して楽しめました。そして何と言っても盛り上がりは第11章岩山の男ですよ、もしかして、もしかして?ババーン!やっぱり〜素敵〜✨解説によると、文学史上1番映像化されたらしく、1924年に日本でも「猛犬の秘密」という題名で映画になったそうです。2021/11/14
Small World
29
ホームズものの長編は初めてでしたが、意外とワトスン博士が頼りになりますよね~。情報収集の上、作成したレポートがしっかり事件解決の役に立ってたりしてます。思ったよりも、あっさりと犯人の名前が出てきますが、事件の裏側が語られる場面が本当のクライマックスでしたね。2017/12/13