出版社内容情報
【ジョヴァンニ・コミッソ文学賞【小説部門】受賞】
もちろん、会話はいずれも
私が想像して組み立てたものだが、
出来事の連鎖は、
それがいかに奇抜に思えるとしても、
史実に基づいている。――F・M・サルデッリ
ヴィヴァルディの自筆楽譜が辿った
数奇な運命を描く見事なノンフィクション・ノヴェル
『四季』で有名な作曲家ヴィヴァルディは、生活苦から不遇な最期を遂げた。遺された膨大な自筆楽譜を守ろうとする弟、手稿譜に純粋な感心を寄せる貴族、買い叩こうとする司祭、遺産相続でもめる遺族たち、価値のわからない修道士たち、そしてユダヤ人学者から、ムッソリーニ、詩人エズラ・パウンドまで、人間の愛憎、欲望、無知によって翻弄された楽譜の運命。その?末をヴィヴァルディ研究の第一人者で、自ら楽団を率いる鬼才サルデッリが見事に描く。優れた小説に与えられるジョヴァンニ・コミッソ文学賞受賞作。
【目次】
内容説明
作曲家で聖職者だったヴィヴァルディは、膨大な数の自筆楽譜を遺した。兄の魂を守ろうとする弟、欲にまみれた司祭、古書愛好家、ユダヤ人音楽学者、ムッソリーニ、詩人エズラ・パウンド…様々な人間の愛憎、欲望、無知が絡み合い、楽譜は数奇な運命を辿る。優れた小説に与えられるG・コミッソ文学賞受賞。
目次
1 ヴェネツィア、一七四〇年五月二十七日、金曜日 ファヴリ通り、アントニオ・ヴィヴァルディ司祭の家
2 モンフェッラート地方、オッチミアーノ村、ダ・パッサーノ城、一九二二年秋
3 ヴェネツィア、一七四一年八月四日
4 モンフェッラート地方、サン・マルティーノ村、一九二六年秋
5 ヴェネツィア、一七四一年十一月三日、金曜日
6 トリノ、一九二六年十月十二日、火曜日
7 ヴェネツィア、一七七八年四月十六日、木曜日、サン・ベネト広場
8 トリノ、一九二六年十月六日、水曜日
9 ヴェネツィア、一七八〇年五月二十日、土曜日
10 トリノ、一九二七年三月
11 ジェノヴァ、一八九三年九月十二日
12 六つのエピローグ
著者等紹介
サルデッリ,フェデリーコ・マリア[サルデッリ,フェデリーコマリア] [Sardelli,Federico Maria]
1963年イタリア、リヴォルノ生まれ。11歳で作曲を始め、12歳で風刺雑誌に漫画を寄稿するようになり、現在も同誌の看板作家として活躍。哲学を学んだ後、バロック音楽のオーケストラ、モード・アンティクオを創設、指揮者となる。フィレンツェの音楽アカデミーでリコーダーやフルートの指導にあたり、音楽学者、研究者としての業績に対する評価を高い。作曲家、指揮者、学者、画家、版画家、漫画家…等、その活躍の幅広さは、鬼才の名にふさわしい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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