出版社内容情報
『四季』で有名な作曲家ヴィヴァルディは、生活苦から不遇な最期を遂げた。遺された膨大な自筆楽譜を守ろうとする弟、手稿譜に純粋な感心を寄せる貴族、買い叩こうとする司祭、遺産相続でもめる遺族たち、価値のわからない修道士たち、そしてユダヤ人学者から、ムッソリーニ、詩人エズラ・パウンドまで、人間の愛憎、欲望、無知によって翻弄された楽譜の運命。その?末をヴィヴァルディ研究の第一人者で、自ら楽団を率いる鬼才サルデッリが見事に描く。優れた小説に与えられるジョヴァンニ・コミッソ文学賞受賞作。
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