出版社内容情報
書き下ろしアンソロジーシリーズ《Genesis》が『紙魚の手帖』に合流して2年目。今年も夏のSF特集をお届けします。■新連載・彩瀬まる。■赤野工作、阿部登龍、斧田小夜、飛浩隆、松崎有理、宮澤伊織、レイチェル・K・ジョーンズらの豪華執筆陣による読切短編。■第15回創元SF短編賞選評および、受賞作・稲田一声「喪われた感情のしずく」掲載。■翻訳家・古沢嘉通による2023年ヒューゴー賞騒動解説記事。■創元SF文庫の成り立ちを語った代島正樹×小浜徹也(東京創元社編集部)対談など。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすお
4
SF短編特集。創元SF短編賞を受賞した「喪われた感情のしずく」(稲田一声)が圧倒的に良かった。香水のように感情を纏える世界が舞台になっており、取り扱いとしては現在の薬物に近いだろうか。感情をまとうことについて想像を膨らませ、ある意味でリアリティを感じるような作品だった。とにかくこの作品が突出していて、他の作品も読んでいる時は楽しんだものの、本号を読んだ後でもずっと頭に残った。2024/11/04
イツキ
4
紙魚の手帖版Genesis2年目。着ると狼の姿になれる毛皮を巡る因縁に巻き込まれた主人公が故郷や自分の感情と折り合いをつけていく様子が痛々しくも魅力的な「狼を装う」、相変わらず緩いながらも小気味よいテンポのやり取りと謎技術が面白い「ときときチャンネル#8」、60年にわたるロボットと地球の歴史が展覧会の展示物の形式で描かれていくのが印象的かつ、説得力のある未来史が非常に魅力的な「WET GALA」が特に好みでした。2024/09/23
sugsyu
0
SF特集、ということで創元SF短編賞受賞作・稲田一声「喪われた感情のしずく」ほか、そのまま本年のSFベストアンソロジーにしても良いくらいの充実した内容。衝撃的な書き出しからナルニア的ファンタジーへの批判(「指輪物語」と並んで宗教右派に受容されている、というのが幼いころに耽溺した身には衝撃だ)を至る、銃乱射事件に題を採ったジョーンズ「子どもたちの叫ぶ声」から、飛浩隆のロボットSF「WET GALA」まで!「ウェアウルフ」に地口から随分な飛翔を魅せてくれる阿部登龍「狼を装う」も良い。2024/08/29
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