出版社内容情報
災害により甚大な被害を受けた県にボランティアとして訪れた女性二人組。宿の娘は、生涯独身を貫いた伯父の遺品であるボトルシップを彼女たちに見せる。ボトルシップ内の机に置かれたミニチュアの本に書かれた暗号は、伯父が少年の日に出会った謎と罪と罰を秘めたものだった(表題作)。叔母といとこの暮らす館で一夏を過ごすことになった少年は、館の主だった老女の日記をひもとくことで自分の一族を覆う愛憎のもつれを知る。その晩、死んだはずの一族の娘を名乗る女が訪れ……(「千夜行」)。〈七海学園シリーズ〉の名手による、本格ミステリ短編集。
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