二十一時の渋谷で―キネマトグラフィカ

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  • サイズ 46判/ページ数 295p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488028503
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

新元号が発表された日、宣伝部の砂原江見は岐路に立たされていた。長く勤めた老舗映画会社・銀都活劇が大手IT企業に買収されることが決まったのだ。社内には弛緩した雰囲気が漂い、退職者も続出していた。DVD宣伝を手がける江見の部署も、一癖ある部下たちも、この先どうなるかわからない。では銀活の名前が消えるまでに、自分は何がしたいのか。バブル、ロスジェネ、ゆとり、さとり、様々な世代から「働き方」を問いかける。

内容説明

新元号が発表された日、老舗映画会社・銀都活劇、通称“銀活”のDVD宣伝チームを率いる砂原江見は岐路に立たされていた。長く勤めた銀活が、大手IT企業傘下の映像配信会社に買収されることが決まったのだ。社内の雰囲気は最悪で、不穏な噂が飛び交っている。江見も一癖ある部下たちも、この先どうなるかわからない。それでも働き続ける自分は、銀活の名前が消えるまでに何がしたいのか―。すべての働く人にエールをおくる、傑作エンタテインメント!

著者等紹介

古内一絵[フルウチカズエ]
1966年、東京都生まれ。日本大学卒。映画会社勤務ののち、2010年、『銀色のマーメイド』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、11年にデビュー。一作ごとに異なるテーマで話題作を発表し続け、“マカン・マラン”シリーズが累計15万部を超えるヒットとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

昼寝ねこ

159
『キネマトグラフィカ』の続編。舞台は同じ映画会社の銀都活劇。時代は平成から令和に切り替わる頃。映画産業は末期的で銀活も身売りが間近に迫っている。退廃的になる社内。それでも諦めない人たちがいる。古内さんの描く女性がとにかくカッコイイ。メイン主人公の砂原江見は仕事や生活で悩んだりもするけど、やはりカッコイイ。きちんと前を向いている。前作から登場する北野咲子や小笠原麗羅もカッコイイ。今作では強さだけではなく弱さも見せる。それを差し引いてもカッコイイ。できれば『キネマトグラフィカ』の正編を先に読んだ方がいい。2024/06/04

のぶ

143
「キネマトグラフィカ」の続編だが、群像劇になっていて、登場人物の考えている事がうまく炙り出されていた。特に女性が多く出てくるが、その中心になっているのが、40代半ば、バツイチで子供なしのDVD宣伝チーム長、砂原江見。作品全体の背景になっているのが、映画会社の斜陽化が進み、江見らが働く銀都活劇が、大手IT企業資本のマーベラスTV傘下に入ることが決定している事。そんな中で残された時間で何ができるのかが描かれていた。多くの映画の話題も載っていて、映画好きの自分は、琴線を刺激された一冊だった。2021/10/23

けんとまん1007

133
読みながら、何人かの登場人物に感情移入するところがある。さすがに、丸ごとではないが、「そうそう、わかるわかる。自分もそうだ。。」と。自分自身の在り様は、なかなか変わるものではないと思う。それを、あまり深く考えすぎるのもどうかなあ~。ただ、ふとした時に、思いを巡らすこおはあるし、だからこそ人なんだろうと思う。さりげなく、ここ数年の時代背景も描かれていて、それが身近に感じることに繋がっている。2022/03/15

みかん🍊

113
前作のその後、令和へと移り変わる時、江見は銀活が営業譲渡され会社の名前が消える過渡期の今なら出来る事があると90年代トリビュートを平成元年組も巻き混んで企画を立ち上げる、会社で働くと言う事、何のために働くのかそれぞれの立場、働き方が各章で語られる、結婚して子供を持って家族の為に働くのが正義なのか、自分の為に働くのか、どちらにしても自分ために生きる、由紀子の章は嫌い、どこの会社でもいる彼女のような女性には胸やけがする、最後の章では役者が揃いそれぞれの未来へ飛び立っていく晴れ晴れとしたラストだった。2022/05/19

いたろう

96
平成元年に同じ映画会社に入社した6人の、30年後の姿を描いた「キネマトグラフィカ」の続編。6人のうち、今では2人しか残っていないこの老舗の映画会社が、IT企業に営業譲渡され、映画会社の名前が消えることに。本作は、そんな会社買収直前の社員たち、平成元年組のOB・OGたちを描いた群像劇になっている。これは、かつて大映にいて、角川書店への営業譲渡を経験した古内さんの実体験もベースになっているのだろう。そして、古き良き時代の日本映画というより、90年代のミニシアターブームに焦点が当てられているのも懐かしいところ。2021/12/09

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