青柳いづみこのＭＥＲＤＥ！日記

青柳 いづみこ【著】

東京創元社（2015/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 423p／高さ 19cm
• 商品コード 9784488027452
• NDC分類 760.4
• Cコード C0095

出版社内容情報

自身のホームページに連載していた、ものかきピアニストの日記をまとめた痛快エッセー集。大胆かつ繊細な芸術家の世界に、ドップリつかってごらんあそばせ！　ちなみに「メルド！」というのは「くそったれ！」の意のフランス語です。

内容説明

ＭＥＲＤＥ！とは「くそったれ！」という意味のフランス語。怒りの言葉でもあり、幸運を祈るときに投げかける言葉でもある。ピアノを弾き、教え、ドビュッシーを研究し、論じ、エッセイを書き、読書し、書評を書き、美味しいものを食べ、スポーツ中継に熱中し…とにかく本当に忙しい日々。そんななかのシチリア旅行や南仏の旅も楽しい…。モノ書きピアニスト・青柳いづみこのいつわらざる日常（２００１年～２００９年）。

目次

ホームページ立ち上げに向けて
新著を手にして
女の水、男の水
ステージ衣装
新阿佐ヶ谷会
二十五人のファム・ファタルたち
新人演奏会
海辺の宿
生・赤川次郎を見た！
竹島悠紀子さんのこと〔ほか〕

著者等紹介

青柳いづみこ［アオヤギイズミコ］
ピアニスト・文筆家。祖父は青柳瑞穂。安川加壽子、ピエール・バルビゼに師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業。東京芸術大学大学院博士課程修了。１９８９年、「ドビュッシーと世紀末の美学」により博士号取得。９０年、文化庁芸術祭賞受賞。著書に『翼のはえた指　評伝安川加壽子』（吉田秀和賞受賞）、『青柳瑞穂の生涯』（日本エッセイスト・クラブ賞受賞）、『六本指のゴルトベルク』（講談社エッセイ賞受賞）他多数。ＣＤに『ロマンティック・ドビュッシー』（ミュージック・ペンクラブ賞受賞）など多数。大阪音楽大学教授、神戸女学院大学講師、日本ショパン協会理事（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ユメ]

「メルド！」という言葉はフランス語で「くそったれ！」という意味。幸運を祈るという局面でも使われるのだという。そんな「メルド！」を日記に冠した青柳さんはとても多彩な活動をされている方。弾くことと書くことを行き来するハードな日々を、「メルド！」と呟くことで歩んでいるのだ。青柳さんの音楽を表現する文章は、感覚的な面と理論的な面を併せ持っているように思う。私自身は、音楽と無縁な人生を歩んできたわけではないが、音を言葉にするのは苦手だ。流れていく音のうねり、一瞬の閃きを捉えて言葉に変えられる人には素直に憧憬を抱く。

2016/10/01

[kei302]

ピアニストで“モノ書き”青柳いづみこ先生のブログから記事をチョイスした日記ふうのエッセイ・でいいのかな？ステージ衣装はガード下のつるしのぺらぺらでギラギラお値段は何百円とか、松田聖子の追っかけをしつつ、彼女の５度跳躍音程のピッチの正確さを絶賛したりと、ぶっとびつつも音楽ネタ美術ネタ満載でどこから読んでも面白い。印象派の展覧会とコラボした30県美術館でのピアノリサイタル。ぺらぺらの薄いドレス、風がびゅーっと吹き抜けて身体の後ろ側が寒かったと印象がよくなかったようです。

2020/05/06

[くさてる]

なんともエネルギッシュ。ピアノを弾いて、旅行して、公演して、文章を書いて、食べて、考えて、新幹線を乗り継ぎ、飛行機に飛び乗って、世界を駆けまわる女性ピアニストの日記。クラシック音楽と文筆という二つの世界のあいだでさ迷い、それぞれの世界の抱える問題点にも目をやりながらも、なによりも演奏という自分の仕事への取り組み方の真摯なことが伝わってきます。それらがユーモアを交えた読みやすい洒脱な文章で綴られているのが本当に良い。生きていることを真剣に楽しんでいる芸術家の姿がここにあります。面白かった！

2015/04/18

[スリカータ]

上下二段、ページ数も多く、非常にボリュームのある一冊。途中から面白そうなところを抜粋で読みました。松田聖子のコンサートが面白かった。音楽家らしい観察眼でバッサリ！

2015/07/20

[めぐみこ]

ピアニストで物書きでもある著者のHP日記の抜粋。あちらこちらでのメルド！な日々を赤裸々に語っていた。あまりにあけすけで時折心配になるくらい。特にクラシック界への駄目出しは、関係者全員に音読して欲しいと思う。ただ衰退を坐して待つだけなんて勿体ない。

2015/12/25