出版社内容情報
名探偵・森江春策が〈日本のモン・サン・ミッシェル〉に聳える館で遭遇した殺人を解き明かす王道の犯人当て「月琴亭の殺人」。元恋人の死をきっかけに、殺人とも事故ともつかない不気味な事件の連鎖に気がついたジャーナリストの捜査行を描くサスペンス「ノンシリアル・キラー」。前者は縦書きの右綴じ、後者は横書きの左綴じ、つまり一冊の本の前からも後ろからも読めるのです――驚愕の解決篇は、本の中央にある「袋とじ」を切ってお確かめ下さい。本格ミステリの極限に挑む、芦辺拓一世一代の大仕掛け!
芦辺拓[アシベタク]
内容説明
表から始まる渾身のフーダニット。裏から始まるトリッキーなサスペンス。袋とじの解決篇に、ただ瞠目せよ!
著者等紹介
芦辺拓[アシベタク]
1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
110
森江春策の事件簿その23。正統派の順に読破。折原さんの作品では何度か見かけた袋とじの作品。作中で探偵も言ってるようにアンフェアですけどこの内容なら仕方ない?。2017/01/18
aquamarine
86
「月琴亭の殺人」というクローズドサークルものと「ノンシリアル・キラー」というサスペンスミステリを表裏からどちらも途中まで読み進めると真ん中の袋とじが両方の解決編になっているという凝った作りです。一つのミステリを二つの別視点から追うのとどこが違うんだろう?と思いながら読み進めましたが、読み終わってみるとちゃんと違いました。○○的で賛否はあるでしょうが、伏線の張り方等はちゃんとフェアだったと思います。帯の「ただ瞠目せよ! 」という煽りは期待値を必要以上にあげてしまって勿体ないですね。2017/07/17
山田太郎
51
なんかいまいち文章が合わなくて読みにくい。おもしろくないわけでもないけど、生真面目な折原一というか倉坂鬼一郎のバカミスを真面目に書いたというか。おもしろくないわけではなかったけど。いまいち森江さんが名探偵に思えないけど。2017/02/20
coco夏ko10角
34
森江春策シリーズ。真ん中に袋綴じのミステリー小説は2冊目、やっぱりワクワクする。表から裏から、と著者の頑張りがすごい。月琴亭→ノンシリアルの順で読んだけど、逆読みの方が難易度が上がる理由がよくわからなかった…注目すべき人物が分かることでむしろ下がるんじゃないのかな?と思っても、もう自分には試すことはできないのもまた。2017/03/25
geshi
34
驚きまではいかなかったけど、なかなか面白い趣向。『月琴亭の殺人』はクローズド・サークルものとしての脆弱性が気になったが、それこそがミステリマニアの足元を掬う罠だったとは。『ノンシリアル・キラー』は事実関係の繋がりを見せるために、取材がうまくいきすぎている感じを受け、サスペンスの盛り上がりに欠けたかな。普通のミステリならばアンフェアのそしりを免れないが、表裏の構造で大胆にもそれを成り立たせてしまった点で評価できる。読み方によって難易度が違うというのも、よくできている。2017/03/24
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