出版社内容情報
介護施設・あずき荘で働く、メイこと明治瑞希はある日、利用者の撲殺死体を発見する。犯人を目撃したのは、同じく利用者である五人の老人。しかし、犯人の服色は「赤」「青」「白」「黒」「緑」と、なんとバラバラの五通りだった! 同じ部屋から目撃したのに、なぜ証言が食い違うのか? ありえない証言に加え、見つからない凶器の謎もあり、捜査は難航する。そんな中、メイの同僚・ハルが片思いしている相手に犯人の容疑をかけられる。メイはハルに泣きつかれ、ミステリ好きの素人探偵として事件解決に乗り出すことになるが……。不可解な謎が、切れ味鋭いロジックで鮮やかに解き明かされる! 選考委員の絶賛を浴びた、第30回鮎川哲也賞受賞作(応募時の作品名『誤認五色』より改題)。
内容説明
高齢者介護施設・あずき荘で働く、新米女性介護士のメイこと明治瑞希(めいじみずき)はある日、利用者の撲殺死体を発見する。逃走する犯人と思しき人物を目撃したのは五人。しかし、犯人の服の色についての証言は「赤」「緑」「白」「黒」「青」と、なぜかバラバラの五通りだった!ありえない証言に加え、見つからない凶器の謎もあり、捜査は難航する。そんな中、メイの同僚・ハルが片思いしている青年が、最有力容疑者として浮上したことが判明。メイはハルに泣きつかれ、ミステリ好きの素人探偵として、彼の無実を証明しようと奮闘するが…。不可能犯罪の真相は、切れ味鋭いロジックで鮮やかに明かされる!選考委員の満場一致で決定した、第30回鮎川哲也賞受賞作。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
280
第30回鮎川哲也賞受賞作ということで読みました。事件は地味ながら、読み易く謎解きが楽しく爽やかな印象です。次回作も楽しみにしています。 http://www.tsogen.co.jp/award/ayukawa/30th/2021/01/05
nobby
213
まず舞台が小規模多機能型居宅介護ってのが感慨深い!そうそう、高齢者のデイとショートとヘルパーを同じ事業所で行うの!そこで短期間であれ勤めた者が感じる理想と現実は置いといて…その仕組みを絡ませた事件の混迷ぶりはニヤリと面白く読んだ♬認知症老人5人が目にした殺人犯の服の色は赤緑白黒青と五色綺麗に食い違う。さらには見つからない凶器の謎。スゴく読みやすく楽しんだけど、巡り巡って結局…な展開がちょっと残念かな…その大ネタへの振りやらがだいぶわざとらしい、いや分かりやすいし(笑)ラストのオチを顕著に軽く読めれば良作♬2020/12/13
machi☺︎︎゛
169
鮎川哲也賞受賞作品。高齢者介護施設、あずき荘で利用者が殺された。犯人らしき人物を見た5人の目撃者は、犯人の服を赤、緑、青、黒、白とバラバラの色を証言した。そこからあずき荘で働くメイさんとハルさんの犯人探しが始まる。容疑者は少ないのになかなか真相が明らかにならないし怪しい人はいるのに何かが違う。最後まで読んで深く納得。全部が綺麗に解決してスッキリした。最後の最後にちゃんとオチもあってすごく面白かった。2020/12/12
ちーたん
98
★★☆☆☆第30回鮎川哲也賞受賞作。介護施設『あずき荘』で利用者の老人が撲殺される。目撃者5人の老人は犯人の服の色をそれぞれ《赤、青、白、黒、緑》と全く別の色で答えた。施設の職員・メイは素人探偵として事件の真相を追う!◆近年の鮎川哲也賞は好み作品が多いため、本作にもその水準を求めてしまったため★2。ミステリがしっかりしてれば多少強引なご都合主義は気にならない質なのだが、話の膨らませ方があまりにも素人レベルやしませんか?💦その分、大トリック透け透け。故に真相も透け透け。今後の作品に期待したい。2020/11/07
aquamarine
94
第30回鮎川哲也賞受賞作。高齢者介護施設で起きた殺人事件。目撃情報は5人の老人による犯人の服の色のみ。ただしそれは5人とも別の色だった…。きちんと伏線をはり、文章も綺麗で読みやすかったです。舞台が介護施設であっても無理に社会派を盛り込んだりせずに好印象でした。消えた凶器の謎なども含め、特定状況のトリックはなるほど、と思えるものですが、丁寧ゆえにしっかりと拾って読んでくると展開がわかりやすいのが勿体ないかなと思います。後味は好みです。今回は少し軽めでしたが、今後どんなものを書かれるのか楽しみです。2020/11/19