出版社内容情報
結合双生児として生まれたゲオルクとユリアンの波瀾に満ちた数奇な人生。ウィーンに始まり、ハリウッドと上海の二大魔都で展開する壮大かつ謎に満ちた、絢爛豪華なオペレッタ。
内容説明
爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。オーストリア貴族の血を引く双子は、ある秘密のため、引き離されて育てられた。ゲオルクは名家の跡取りとなって陸軍学校へ行くが、決闘騒ぎを起こし放逐されたあげく、新大陸へ渡る。一方、存在を抹消されたその半身ユリアンは、ボヘミアの「芸術家の家」で謎の少年ツヴェンゲルと共に高度な教育を受けて育つ。アメリカで映画制作に足を踏み入れ、成功に向け邁進するゲオルクの前にちらつく半身の影。廃城で静かに暮らすユリアンに庇護者から課される謎の“実験”。交錯しては離れていく二人の運命は、それぞれの戦場へと導かれてゆく―。動乱の1920年代、野心と欲望が狂奔する聖林と、鴉片と悪徳が蔓延する上海。二大魔都を舞台に繰り広げられる、壮麗な運命譚。
著者等紹介
皆川博子[ミナガワヒロコ]
1930年生まれ。72年、児童文学長編『海と十字架』でデビュー。翌年、「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞、84年の『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞、86年の『恋紅』で第95回直木賞、90年の『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞、97年の『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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夜梨@灯れ松明の火