出版社内容情報
ニュージーランドの山間を走る長距離寝台列車。走行中という密室状態で凄惨な殺人事件が起こる。さらに列車内で次々と起こる、不可解な出来事の真相は? 本格ミステリ。
内容説明
ニュージーランドの山間を走る豪華寝台列車。ジュリアンとバーニィのふたりは、大学進学を前にこの列車に乗って旅に出ることにした。しかし、優雅な旅を楽しんだのもつかの間、乗員が鍵のかかった客室で、凄惨な首なし死体となって発見される。走行中の列車では降りる人も乗る人もいない。数少ない乗客、あるいはどこかに潜む何者かの犯行なのか?そして、トンネル内で急停車した列車からは次々と人が消え―。常軌を逸した状況で起こった不可能犯罪。残された乗客が導きだした真相とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
53
真っ先に連想したのは、もちろんあのオリエント急行だが、ある意味それ以上の作品。作者は日本、しかし舞台も人物もすべて外国、しかも南半球のニュージーランドという、珍しい路線を行く作品。密室トリックはすぐ予想がついたが、物語の構成や作中に語られる思考などは、予想もつかないほど濃い作品だった。おもしろさに惹かれて一気に熱く読んでしまいました。ミステリっていいものですね!2016/09/27
そのぼん
36
表紙とタイトルのイメージでファンタジーかと思いましたが、実際は王道のミステリーでした。 列車の中で殺人事件が起こるところからストーリーが動きました。ちょっとレトロな感じもしました。2012/06/18
のりすけ
28
主人公の女の子たちが事件を解決するんじゃなく居合わせた人が解決するパターン。動機のバックボーンなどはうまく書かれていた、その分消去法で犯人がわかりやすかったのは残念。トリックもやや雑。それでもかの名作「オリエント」を下敷きにしてそれなりの出来に仕上げた手腕には拍手。一人の男にむちゃくちゃ嫌悪感。双子は賑やかし?2019/06/09
あっちゃん
27
前作に引き続きクローズドサークル!今回はニュージーランドの山中を走る豪華列車!クリスティのオリエント急行殺人事件や綾辻原作の月館の殺人を思わせる内容に懐かしい気持ち(笑)2015/05/17
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
20
前作『太陽が死んだ夜』と同じニュージーランドを舞台に、やはり前作に登場の2人の女子高生ジュリアンとバーニィが巻き込まれた不可解な殺人事件。 オリエント急行を模した豪華寝台列車で起きた密室首切り殺人、トンネル内で突如列車が止まり機関士や車掌が失踪、更に1人が殺されバーニィも失踪…。 今回も暗〜いタイトルが示す通りに、犯人の動機は何ともやり切れないものでした。 そして、1980年代半ばの自然保護をめぐるニュージーランドとフランスの確執を初めて知って驚きました。 正義とは、時間とは…考えさせられます2011/10/31