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水の中、光の底

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488024697
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

水と光をモチーフに描かれる10の世界…… 
◆赴任した先の地方の街の高校には、校庭の中央に路面電車の終着駅があり、
◆ワイン片手にボートで夜の海へ漕ぎ出すと、月を隠した雲が凝集をはじめ、
◆酒場の地下深く、小さな部屋に穿たれた四角い水面は、そこにしかないという「海」であり、
◆全面硝子張りのカフェでは、街が大雨で水没して帰れなくなった男女が時間をつぶし、
◆炎天下で咽の渇きを癒そうと入った小さな店には三匹の猿がいて奇妙な行動を起こし……etc.

少しずつ重なり合った10の物語世界を一人の酒場の主人がつなぐ、ノスタルジックな、日常のSF幻想。

内容説明

赴任した先の地方の町の高校には、校庭の中央に路面電車の終着駅があり…酒場にボートを貸してもらいワイン片手に海へ出ると、月を隠した夜空の雲が凝集して小爆発を繰り返し…酒場の地下深く、小さな部屋に穿たれた四角い水面。それが、そこにしかないという「海」であり…全面ガラス張りのカフェでは、大雨に水没して帰れなくなった男女が時間をつぶし…少しずつ重なり合った十の物語世界を、一人の酒場の主人がつなぐ。ノスタルジックな、日常のSF幻想。

著者等紹介

平田真夫[ヒラタマサオ]
1958年、東京都生まれ。83年、東京工業大学大学院理工学研究科化学専攻修士修了。在学中は東京工業大学SF研究会に所属。84年、日本SF大会EZOCON2主催の小説賞「エゾコンSFコンテスト」に「マイ・レディ・グリーン・スリーヴス」が入選し“SFマガジン”に掲載された。86年、小学館発行のパソコン雑誌“ポプコム”にアドベンチャーゲームを連載。87年には森山安雄名義でゲームブック『展覧会の絵』(創元推理文庫)を発表。同書は当時刊行されていた社会思想社発行のゲームブック専門誌“ウォーロック”誌上で毎月開催されていた「読者による人気投票」の第1位を長らく獲得しつづけた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちはや@灯れ松明の火

49
水は月と共に時を刻み、水と光が交われば幻が生まれる。耳へと触れる絶えることのない水の調べ。雨音が、潮騒が、せせらぎが、街を包み込む。見知らぬ日常、懐かしい異世界、きまぐれに繋ぎ留められた景色のかけら。海を渡る路面電車、地下室の底の海、雲の海から降る光。くるくる廻る、遠い遠い同じ場所、つい先刻の遥かな未来。淡い碧い光が、からだの中の位置情報を、座標軸を、くるわせていく。瞼を閉じて、水の流れに身を浸せばいい。いつかはあるべき場所へと還るから。わたしの奥に広がる海も、静かに、確かに、満ち引きを繰り返していく。 2012/11/15

Romi@いつも心に太陽を!

17
少し・不思議な世界が舞台の幻想譚?満潮時の路面電車がまんま「千と千尋」な感じです。一件のBarの主が満月の曇天より降り注ぐ雲の石やら、この土地ならではの不思議な現象を客と共に宝探しでも楽しむような…こんな行き着けが欲しいです。潮騒を聞きながらシーグラスを探すような…漁り火と街の灯りをいつまでも眺めているような、雰囲気そのものを楽しむ作品。2011/06/23

nyanco

12
お初の作家さん。 水と光がモチーフになったSF幻想譚。 三匹の猿、落ちたワインボトル・・・と何処かで世界が繋がっている。 一日中、雨が降り続く日に読んだので部屋の中に居ると外界の音が無くなり、とても静かでトロリとした液体の中に自分も浸っているような感覚で読書しました。 雨の日を選んでの読書は正解でした。 とても不思議な感覚を堪能できました。 2011/05/12

ハルト

8
タイトルどおり、水の中のゆらめく光の底を眺めているかのような、美しい幻想的な描写が印象的な連作短編集でした。水の中を走る電車だったり、学校の中にホームがあったり、海のすぐそばにある謎めいた居酒屋だったりの、モチーフがどこか詩的で素敵でした。とても好みだったんですが、なぜだか文章がすんなり頭に入ってこず、読むのに少し時間がかかりました。SFというよりファンタジックな感じだったかも。2011/05/14

眠る山猫屋

7
水をモチーフとした幻想譚。できれば、各々の物語の少し先を覗いて見たかったかな。2015/04/23

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