内容説明
巨匠たち皆がステージにいた、1950年代の欧米クラシック音楽界の黄金時代を、実際に体験した著者の貴重な証言。巻末に当時のコンサート演目リストを収録。
目次
第1章 ザルツブルク音楽祭(一九五六年)
第2章 バイロイト音楽祭(一九五八年)
第3章 指揮の巨匠たち
第4章 ピアノの巨匠たち
第5章 弦の巨匠たち
第6章 室内楽―見事なアンサンブル
第7章 素顔の名歌手たち
第8章 ブルーノ・ワルターのこと
著者等紹介
植村攻[ウエムラコウ]
1928年東京に生まれる。1950年東京大学法学部卒業。同年、(株)富士銀行入行。1952年から一年間、フルブライト留学生としてシカゴ大学に留学、帰国後、1955年から59年までロンドン支店勤務。同行専務取締役、同常任監査役、セイコーインスツルメンツ(株)監査役を歴任。1970年には、万国博覧会富士グループ・パビリオン館長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Susumu Kobayashi
3
新版ということだが、元版にコーダとされた部分を追加したものだった。著者は銀行のロンドン支店に派遣され、その機会を利用して足繁くコンサート通いをした。また、ザルツブルク音楽祭と、その二年後にはバイロイト音楽祭にも行き、後者ではかのクナッパーツブッシュ指揮する『ニーベルングの指環』と『パルジファル』を鑑賞するという幸運に恵まれる。驚異的な記憶力(もちろん記録を取っていたのだろう)と鑑賞力で、当時のことを記録に残してくれたのは実にありがたい。著者の優れた感受性と文才あってのことと感心し、感謝の念を抱いた。2018/05/20