内容説明
東天高校文化祭初日、ブラスバンド部のオープニング曲終了とともに、突如校内放送から謎の男の声が流れてきた!DJネガポジと名乗る男は、リクエスト曲を流しつつ携帯電話でのリレーインタビュー企画を進めていく。文化祭実行委員会と生徒会の合同企画だというが、どこか怪しい。DJの軽快な喋りに沸く生徒たちを尻目に、二年生の古浦久留美はDJの正体を探り始めるが―。華やかな文化祭の裏で静かに進行する陰謀と、謎のDJの目的とは?青春の一ページを生き生きと描いた青春ミステリの決定版。
著者等紹介
竹内真[タケウチマコト]
1971年新潟県生まれ。慶應義塾大学卒。95年に三田文学新人賞、98年「神楽坂ファミリー」で小説現代新人賞、99年『粗忽拳銃』で第12回小説すばる新人賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
31
日常の中の非日常。学園物らしく軽妙なタッチで読みやすかった。今っぽくないちょっと昭和テイストな雰囲気が良い。2016/04/26
イーダ
28
小難しい事を考えずに、山ちゃんやユーリたちと一緒に文化祭を楽しむように読むのがいいかなーという本でした。あまり凝った話ではないけれど、高校生の一生懸命を気持ちよく感じる一冊でした。2016/03/13
銀雪
27
読み終えるのが惜しくなるくらい楽しかったけど、一気読み。竹内真の、同じくラジオDJの正体を探る中学生の男女3人の青春ミステリ『ミッドナイト・ボーイズ』が大好きだったからこの本も期待して読んだ。私の方もちょうど文化祭の時期なので(大学だけど)より楽しめた。群像劇、青春モノ、日常の謎好きな私にはすごくツボだったし、村上君の思索やセカイ系の箇所もとても興味深く読めた。ネットの暴力性などの現代的なテーマも、不自然さはあったものよかったと思う。回収されていない伏線の多さは非常に残念。(ネタバレはコメントに)2010/11/08
nyanco
27
野球部のエース山ちゃん、科学少年メカオ、ミステリーファンの探偵コーラ…と高校の文化祭のワクワク感の描き方は、竹内さんらしい。動かない大時計を復活させる。このイベントも面白い。が、DJネガポジの謎は、結構ビターなのにユーリが能天気なのが受け入れがたい。ミステリーよりも突き抜けるような夏向けの文化祭ストーリーでも良かったかも。2009/08/14
スケキヨ
26
ミステリとしてではなく、青春モノとして読めば素直に面白い。自分の高校の文化祭があまりにも・・・な感じだったので登場人物たちとお祭り騒ぎができた気分で良かった。最後の三人のシーンも好きですが、お昼頃の文芸部の村上君とDJネガポジの会話も思索深くて好き。『大富豪の革命』。この一言に尽きる。2010/06/04