内容説明
解剖実習中“ご遺体”の腹から摘出された一本のチューブ。その中には、研究室の教授を脅迫する不気味な詩が封じられていた。「園部よ私は戻ってきた。今ここに物語は幕を開ける…」。動揺する園部。彼を慕う助手の千紗都は調査を申し出るが、園部はそれを許さない。しかし、今度は千紗都自身が、標本室で第二の詩を発見してしまう。「黒い絨毯の上で死者は踊り生者は片腕を失うだろう…」。事務員の梶井に巻き込まれる形で調査を始めた千紗都は、チューブを埋め込んだ医師を突き止める。だが、予想外の事実に千紗都は困惑した―その医師は十九年前に自殺していたのだ。抜群のリーダビリティ、骨太のストーリー、意表を衝く結末―第１６回鮎川哲也賞受賞の傑作ミステリ。
著者等紹介
麻見和史［アサミカズシ］
『ヴェサリウスの柩』で、第１６回鮎川哲也賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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タックン
73
ここでよく麻見さんの感想を見たので図書館にあった本を借りてみた。鮎川哲也賞受賞作品。江戸川乱歩賞作品を読んでるみたいだった。でもテーマ・ストーリは面白いし文章が上手いので読みやすくて一気読みだった。解剖学の割りにはグロくなかったし・・・。復讐に至る発端の仕掛けと狂気にはまいった。でも登場人物が限定されてるので途中で犯人がわかるのが念・・・そう言いながら最後に騙されたけど。江戸川乱歩賞ﾐｽﾃﾘｰ物が好きな方はぜひお勧めなので読んでみてね。面白いですよ。2014/01/22
ゆみねこ
46
麻見さんのデビュー作。国立大学医学部の解剖学研究室を舞台にした、不気味な脅迫事件と殺人事件。かなりグロテスクな記述も多くて少し苦戦…。でも、一気に読ませる筆力はさすがです。犯人は誰だろうと謎を追いかけながらの読書が出来ました。2014/09/30
おれんじぺこ♪(16年生)
31
医学部の解剖学教室で、実習中に見つかったチューブが原因で様々な事件が起こる。面白かった。これがデビュー作かと思うとすごいと(笑)麻見作品は数冊読んだけどこれが今のところ一番一気読みだったかな。2014/01/15
達ちゃん
30
遅ればせながら麻見さんのデビュー作。あまりにも壮大な計画にびっくり。大学病院を舞台にした医療ミステリー楽しめました。2021/05/03
Kurara
30
★★★★★ 初麻見さん。鮎川哲也賞受賞作品。法医学教室から始まるミステリーそして復讐劇。読む手が止まりませんでした。終盤少し設定に無理があったような気がしますがとても面白かったです《22》2016/03/07
