出版社内容情報
鴆(ちん)とは、猛毒を持つ伝説の巨鳥。鴆が飛ぶと国が滅ぶと伝えられる。その年、民主化運動が頂点に達した揺碧国(ようびこく)に鴆は忽然と現れ、運動の鎮圧に出動した軍人たちともども広場の人民を殺戮した。そして10年、体制は入れかわり、国は急激な発展をとげたが。創元SF短編賞優秀賞受賞作「飲鴆止渇」をはじめ、遠い伝説の時代から遥か未来の宇宙まで自在に物語った、実力派による全6編。
【目次】
内容説明
天から地上へ堕ちてきた“彼”は、麒麟の姿を得て漢の皇帝・武帝の相談相手となる―「麒麟の一生」。民主化運動が頂点に達したその国の広場の大集会を、猛毒を持つ伝説の巨鳥が襲った―「飲鴆止渇」(創元SF短編賞優秀賞受賞作)。耳なし芳一の舞台となった神社の駐車場に放置された自動運転車が体験する不思議な日々―「ほいち」など、伝説の生物に材をとり、遠い神話の時代から遙か未来の宇宙まで、期待の実力派が自在に物語るSF幻想、全六編。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おだまん
9
中国の神話・伝説の生物?からインスパイアした短編集。古典的な麒麟からAI独壇場の表題作まで独特な世界観満載。元ネタをもっと知りたくなりました。2026/01/17
vivahorn
4
本書は紙魚の手帖やNOVAで発表された作品を集めた短編集第2弾とのこと。斧田小夜の経歴を見たら、その超高学歴と職歴にビックリ。6つの作品の中で「飲鴆止渇」が一番気に入った。戦争・暴動が絡む作品はとてもワクワクするが、希望と破滅が交差する結果になる作品が多く、読後感が大幅に異なるケースが起こりやすい。輸血と称した「MEMS」のアイディアには脱帽。この都合の良い機能をガンガンぶっ込めるのがSFの醍醐味と言える。この発想がきっかけとなって、世界の医療が飛躍的に向上する可能性も十分に考えられる。2026/02/01
ぷくらむくら
2
入り込むのが少し難しかったが、6つの物語に最後は引き込まれてしまいました。表題作、「ほいち」「麒麟の一生」の設定と構成には度肝を抜かれました。2026/01/31
イツキ
2
中国の神話や幻獣が登場するSFが中心の短編集。酒の魅力に取りつかれ酔っぱらっては天に昇って酔いが覚めては落ちてくる麒麟の一生が描かれる「麒麟の一生」、架空の国家を舞台に鴆による被害から立ち直りきちんと知識を深め妻子を得た男の一生と予想外の監視社会が印象的な「飲鴆止渇」が好みでした。ラストの「では人類、ごきげんよう」は正体不明の物質を観察した結果をAIが愚痴りながら日誌の形式で報告する様子が面白いですが、結末がいまいち理解できなかったのでまた読み直したいですね。2025/12/30
黒とかげ
1
最初の2編はまさに傑作。後は普通かな。この作者がSF界を背負って立つ?正直、その資格はあると思う。それほどの出来と可能性を感じさせる一冊。この本がそれほど評価されないのはSF界全体が衰退していることを表しているのだろうなぁ。2026/01/29




