感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
130
『人生の門出』タイトルに相応しい作品。導入部でのパリと地方を結ぶ交通~馬車や道路について説明が興味深い。馬車の中で展開される前半から、やきもきする中盤。そして終盤であっと驚く変化。それなりの大団円が嬉しい。この展開の仕方は天才的だと思う。出てくる人がみんな好きになった。p.195『願わくば、前途有望に見える美男子たちから、神様が女達をお守りあらんことを』p.184『伯爵夫人は恩知らずであった。けれども魅力ある恩知らずだった。彼女は時々伯爵の傷口に香油をたらしていた』(続く)2018/04/26
NAO
63
『人生の門出』伯爵が乗合馬車に乗るはずがないとの思い込みから、馬車に乗り合わせた者たちが、お忍びで領地に向かう伯爵の前で見栄を張り合ったり、伯爵家の秘密を暴露したり。人は誰も、散々痛い目に遭わないと成長しないものらしい。乗合馬車と夜会と軍隊で生きるすべを学び、ようやく賢明で有能な人物となって幸福な生活を送ることができたオスカールは、見栄っ張りな性格を直すために、なんと大きな代償を払ったことか。乗合馬車での当意即妙な会話の中にちりばめられたダジャレに、訳者のセンスが光る。2017/11/28
うずまき
1
「いなかミューズ」「人生の門出」「アディユ」収録。いなかミューズ、ビアンション先生がすっかり中年太り…いやいや貫禄付いちゃって・・・。人生の門出は面白すぎ。前半の道中も楽しすぎるけど、後半の代訴人事務所のあれこれが楽しすぎる。デローシュくんの、デルヴィルへの対抗意識気になりすぎる。“所長”って訳あててるのははじめて見た。イイ!2009/08/26
kei
0
北村薫の「六の宮の姫君」の副題が採られてるということだったので「人生の門出」だけ読んでみたくて図書館で借りた。面白かったけど私はこの作品を語れるほどのウィットを持ち合わせてはいない。。2015/01/30
Hotspur
0
『いなかミューズ』。エティエンヌ・ルストーが中心人物の一人。解説「バルザックには数少ない姦通心理小説の一つ・・・中篇にしてはやや多すぎる人物再現方式の使用は・・・この作品舞台のいわば見えざる広がりを強く意識させる」 『人生の門出』。ジョゼフ・ブリドー登場。解説「まとまりの良さ、という点では『人間喜劇』91篇の中でも筆頭の方に位置するのではなかろうか」。強く同意。 『アディユ』。解説「バルザック31歳の折の作品で、ロマンティックな息吹が全編に漲っていて、彼の短篇小説の中では傑作の部類に入る」。強く同意。2018/11/02




