感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
55
「従兄ポンス」ごみ収集と散々バカにしていたポンスの骨董品がどれも価値あるものばかりと知ったとたん、目の色を変えて彼の骨董争奪に動く人々。人は、病や怪我だけで死んでいくのではない。他人から発せられる心もとない言葉(この作品では「砂」と表現している)は、たやすく人を死に追い込む。貧乏人だけでなく、ブルジョワであろうとも、「他人の物であろうと、欲しいものは欲しい」という凄まじいばかりの欲望、バルザックの、こういった金に群がる人々の描き方は、巧みというには余りにも生々しく、すさまじい。2016/03/30
Hotspur
1
『トゥールの司祭』(1832)。ガマール嬢とトルーベール師の苛烈さが他を圧する。解説によれば「本篇は、フランスにおいて写実小説としての条件を完全に備えた最初の作品と称される」の由。ルイ・ランベールの奥さん(未亡人)が顔を出すのに驚く(『ルイ・ランベール』(1832))。ビロトー司祭は『セザール・ビロトー』(1837)で破産した弟ビロトーに千フラン送っている。相変わらずの『人間喜劇』ネットワーク。2018/10/28
うずまき
1
「従兄ポンス」「トゥールの司祭」収録…イライラする話を、よくも2つも並べてくれたわね!って気がするんだよ、これは…。2009/07/03