創元日本ＳＦ叢書 ランドスケープと夏の定理

高島 雄哉【著】

東京創元社（2018/08発売）

• サイズ B6判／ページ数 292p／高さ 20cm
• 商品コード 9784488018283
• NDC分類 913.6
• Cコード C0093

出版社内容情報

第5回創元SF短編賞受賞
天才科学者である気の強い姉に、なにかにつけて振りまわされる「ぼく」。大学4年生だった夏に日本で行われた「あの実験」から3年、「ぼく」はまたしても姉に呼び出された。向かった先は、ラグランジュポイントL2に浮かぶ、姉の勤務する国際研究施設。姉はそこで、宇宙論に関するある途轍もない実験を秘密裏に進めていた。第5回創元SF短編賞受賞作に始まる新時代のハードSF中編連作。

高島雄哉［タカシマユウヤ］
著・文・その他

内容説明

地球随一の天才宇宙物理学者である気の強い姉に、なにかにつけて振りまわされるぼく。大学四年生になる夏に日本でおこなわれた「あの実験」から三年、ぼくはまたしても姉に呼び出された。向かった先は宇宙空間―ラグランジュポイントＬ２に浮かぶ国際研究施設だ。姉はそこで誰にも知られることなく、宇宙論に関するある途轍もない実験を準備していた。第五回創元ＳＦ短編賞を受賞した表題作にはじまる全三話。瀬名秀明が「日本ＳＦの歴史を次の五十年に受け渡す傑作」と激賞した、新時代の理論派ハードＳＦ。

著者等紹介

高島雄哉［タカシマユウヤ］
１９７７年山口県宇部市生まれ。徳山市（現・周南市）育ち。東京大学理学部物理学科卒、東京藝術大学美術学部芸術科卒。２０１４年、「ランドスケープと夏の定理」で第５回創元ＳＦ短編賞を受賞。２０１６年からＳＦ考証として『ガーゼペインＡＤＰ』や『機動戦士ガンダムＴＨＥ　ＯＲＩＧＩＮ』を担当する（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Aya Murakami]

ｗｉｋｉ情報より小松左京の虚無回廊リスペクト作品ということで他館図書館本で手に取りました。 岩の中から物理法則の違う宇宙を取り出す…。なるほど…、宇宙の果ては何も遥か彼方まで足を延ばす必要のないところにあってもいいのですね。物理法則の違う宇宙では我々人類は存在できないのでそれ以上足を踏み入れられないので…。小松左京への新たな挑戦状ということでまた一つ夢に広がる作品でした。

2019/03/13

[とくけんちょ]

難しい言葉たちが押し寄せてくるが、話の大筋はつかみやすい。マクロ的には、宇宙に進出した未来の人類における各国の覇権争いで、ミクロ的には、きょうだいの成長物語。物語の土台となる設定がしっかりしている。それに加えて、丁寧な説明かしっかりした土台のせいか、描写やシーンのイメージがしやすい。これはSFを読むときのポイントとなるべきところ。逆を言えば、既存から抜け出せてないとも言えるか。どちらにしろ、ストーリーは流れるように進み、ストレスは感じない作品。

2019/05/05

[そふぃあ]

夏に読みたくて取っておいた。ガッツリSFだけど、ハードではないかな。ただ、10の500乗個あるという宇宙のひとつでも「あらゆる全ての知性は翻訳可能」の法則が適用されるなら、その宇宙は希望に溢れているなと思った。私個人は、対話不可能な存在もいるレム的宇宙のほうが切なくて好みだけど。アニメで見てみたいと思った。

2020/08/19

[宇宙猫]

★★★★　最初は強引な姉の言いなりの主人公にイライラしたが、実は仲のいい姉弟で だからこその話だと納得。近未来の都市の描き方が有りそうな未来としてリアルさを出していて、強引な論理やストーリーにも現実味を出していて良かった。Ｄ

2020/05/26

[小太郎]

題名と装丁に惹かれて読みました。久しぶりにガチガチのハードＳＦでとても楽しめました。天才物理学者の姉テアの誘いでラグランジュポイントにある国際研究施設に招かれた弟のネルス。その施設ではトンデモナイ実験が始まろうとしていた。もうこの設定だけでOK！この後出て来る百花楼蘭の科学理論やら近未来世界のリアルな表現など読ませどころ満載の作品です。またバックボーンが超天才の姉とそれを慕う？秀才の弟というラノベ系ともいえる話なので固いだけではない読み易さ？もあります。それにしてもスケールの大きい話で気に入った！

2019/06/03