東京創元社・ミステリ・フロンティア
折れた竜骨

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  • サイズ A5判/ページ数 338p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488017651
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた…。自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、“走狗”候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年―そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場。

著者等紹介

米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。青春小説としての魅力と謎解きの面白さを兼ね備えた作風で注目され、『春期限定いちごタルト事件』などの作品で人気作家の地位を確立する。また05年刊行の『犬はどこだ』以降は「このミステリーがすごい!」ランキングの常連になり、2010年度版では作家別得票数第一位を獲得した。新世代ミステリの旗手として現在最も注目される俊英のひとり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エンブレムT

382
こんな骨太ファンタジー設定を、あくまでもミステリの変化球としてだけ扱っちゃうの!?王道ファンタジーファンとしては「勿体無い!」としか言いようがないんだけど、ミステリファンとしては「変化球、アリです!アリ!!」とテンションがどこまでも上がる作品でした。ファンタジー界ならではのルールに則ったクローズドサークル。消去法によって浮かび上がってくる真相。領主の娘・アミーナの目を通し見たままを情報として読み取れるのに、それでも陥ってしまうミスリード。ほろ苦さと切なさ、温かさと希望の絶妙な配分。続編を熱望しちゃいます!2012/03/11

遥かなる想い

374
2011年度このミス国内2位。 舞台は12世紀のイギリス 近くのソロン島。著者の言葉を借りると、剣と魔法の世界を舞台とした特殊設定ミステリである。 小ソロン島の領主の娘アミーナの視点で 物語が進むが、特殊設定ゆえに展開が ひどく自由で小気味良い。遠い時代に 思いを馳せながら、ミステリを楽しめる。かつての冒険王で勇敢なる 海の騎士だった父はなぜ殺されたのか 暗殺騎士は誰なのか?ソロン島という密閉された空間での推理。 アミーナとともに推理を進めるファルク、ニコラの存在が際立っているが....最後は反則である。2013/09/07

文庫フリーク@灯れ松明の火

362
復讐のため頼ったルーン魔術。斬首されぬ限り不老不死・青き唇は自らかけた呪いの印、デーン人。吟遊詩人歌う英雄騎士は領主となり、呪われたデーン人迎撃準備のさなか、暗殺騎士の魔術に貫かれる。因縁と確執の暗殺騎士操る《走狗》を炙り出せ。魔術遣う探偵騎士ファルクと従士ニコラの探索・検証・推理。残った容疑者は8人。衆目の中、次々とファルクに《走狗》となりえぬ無罪証明され、残るは・・。ファンタジックな剣と魔術の世界・中世イングランドの孤島舞台に、領主のお嬢さまアミーナ目線で紡がれた特殊設定、ごりごりのミステリー。→続2011/06/06

seacalf

347
中世ヨーロッパを舞台にしたミステリ。ただし魔法も登場するのでファンタジー色が強し。どれもいけるジャンルだからOK。凛とした領主の娘アミーナも聡明な騎士ファルクもそれぞれ魅力的だけど、何といってもこの物語の肝はニコラ。何故かハウルに出てくるマルクルとかぶる。ビスケットが好きなくらいまだ小さいけれど、健気でとても有能、主従関係を結んだ騎士様に減らず口(ただし敬愛の気持ちはたっぷり)を叩くところなんか微笑ましくて緩んでしまう。手強いデーン人との戦いもポワロさんばりの謎解き披露も読み応えたっぷり。面白いですぞ。2019/04/19

mikea

291
1ページ上下2段の文章に、かなり読み応えあるかも・・・と入り込めるか心配になりましたが、あっさり世界に入り込めました。まるで海外ファンタジーミステリを翻訳してる本かと錯覚してしまうような素敵なお話。もしかして、海外ミステリーにもはまっちゃうかもしれないと感じさせられる本でした。私の場合は最後まで誰が走狗なのか分からず、びっくりさせられました。楽しい読書時間でした♪2011/03/17

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