内容説明
ドッペルゲンガーを見たという少女に頼まれ、その正体を探ろうとした矢先、会員制サイトの掲示板の書き込み通りに彼女が殺された。ミステリ愛好者が集うそのサイト“猟犬クラブ”はパスワード制で、第三者が簡単にのぞけるものではない。“キャット”と名乗る不気味な書き込みの投稿者は、果たして誰なのか?会員同士で互いの正体がわからないまま疑念だけが膨らむうちに、“キャット”による新たな書き込みと、それをなぞるかのような事件が再び起こる―。島田荘司推薦の新鋭、堂々デビュー。
著者等紹介
麻生荘太郎[アソウショウタロウ]
神奈川県生まれ。現役医師。ペンネームは島田荘司によりつけられた。どこに辿り着くのかわからない物語に、豊富な医学知識をふんだんに盛り込んだ、『闇の中の猫』でデビュー。過去に二度、別名義で「本格推理」(鮎川哲也編/光文社文庫)に短編が掲載された。また医学関連の著作および翻訳書も多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
55
わかりやすい文章で、少し前の本格推理小説を今風に焼き直した感じです。 しかも、適当にグロいです。 ただ、目線がコロコロ変わるのでそういう点では分かりづらいかもしれません。 読み進めていくと、途中から妙な違和感があって、それが、最後に何だったのか気付かされることになります。 そのへんの表現がなかなかうまいと思いますが、最初の段階でもっと別の方法を取ることで事件は防げたのでは?と思いました。 ところで、この安易なタイトルはどうにかならなかったのでしょうかね? 2020/01/16
むつぞー
8
久しぶりに「本格ミステリは人間が描けてない」という言葉をこの作品で思い出してしまいました。理由としては人物について判らない部分が多すぎる事にあるのかもしれません。しかも複数の視点で描かれる現実世界そしてネット上と書き込みの部分とあるわけですから、より人物が混沌としてくるのです。これは狙った効果なのかもしれませんが、私としては読みにくさを感じてしまったんですよね。タイトルの意味なんてぞくっとするほどのすごさはあるし、謎の部分は雪密室があったり連続殺人とか魅力的なものは確かにあったのだけれど…。2009/11/01
外道皇帝
7
会員制のネット掲示板にアップした小説のとおりに現実で殺人が起こった。そしてその後も続く殺人事件。会員たちの推理合戦と現実の進行が読者の混乱を極めていく。。。。はずなのだが、読んでいて怪しい人物がそのまま真犯人て、意外性が薄いなあ。掲示板の管理者は死者のIDでログインしているのが分かってるんならID停止しろよって思うんですけど。2010/08/19
かゆ
5
非常に無難かつありきたりなデビュー作。確かに大きな破綻はないが、新鮮味も驚愕も特にないという。このワクワク感のなさは異常。しかし、なんでわざわざゼロ年代も終わりになって、こんな使い振りされた設定とネタを、使い古されたそのまんまヒネリもせずにオトすような作品を書くひとをデビューさせたかねえ。作者は現役の医者だそうだが、別にそれを殊更強調するような中身でもなかったのも謎。2010/05/16
zazo嶋
5
ミステリフロンティアの最新刊。現役の医者のようですね。海導さんのような医学、医療ものとはまた違った、新本格派色の濃いミステリですはありますが...。結構ページ数もあったんですが、なんだかピンとこない内容でした...。 とあるサイトの掲示板に書き込まれたシリアルキラーの架空の事件と同じ事件が現実んき起こって...というものなんですが、その犯人の動機や真相、そして連続殺人事件においての展開...。偶然やご都合主義が多く感じられ、ミステリを読んでるような気分では決してなかったですねー。あまり集中して読めなかっ2009/11/04