内容説明
ローマの詩人オウィディウスが描いたギリシア・ローマ神話世界の奇譚『変身物語』、ケルト装飾写本の永久機関めいた文様の迷宮、中世キリスト教聖人伝、アイルランドの民話、フェルメールの絵の読解とその贋作者の運命、顕微鏡や望遠鏡などの光学器械と17世紀オランダの黄金時代をめぐるさまざまの蘊蓄、あるいは普遍言語や遠隔伝達、潜水艦や不眠症をめぐる歴代の奇人たちの夢想と現実―。数々のエピソードを語り直し、少しずらしてはぎあわせていく、ストーリーのサンプリング。伝統的なほら話の手法が生きる、あまりにもモダンな物語。
著者等紹介
カーソン,キアラン[カーソン,キアラン][Carson,Ciaran]
1948年、北アイルランド、ベルファスト生まれの詩人・作家。ウィスキーを愛し、伝統音楽家としてフルートを演奏し、英語とゲール語の伝統歌謡も達者である。ノーベル文学賞を受けたシェイマス・ヒーニーに続く世代を代表する詩人として、ポール・マルドゥーン、メーヴ・マガキアンと並び称される存在である。エリック・グレゴリー賞、アイリッシュ・タイムズ文学賞、T.S.エリオット賞などの受賞も多い。現在も詩集の発表はもとより、2002年にはダンテ『神曲』の翻訳を上梓するなど、活発な活動を続けている
栩木伸明[トチギノブアキ]
1958年、東京に生まれる。1987年、上智大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程単位取得退学。2002年より早稲田大学教授。専攻はW.B.イェイツ以降の現代アイルランド文学・文化
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感想・レビュー
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榊原 香織
藤月はな(灯れ松明の火)
syaori
星落秋風五丈原
kariya