内容説明
骨董品鑑定人ローザの持つ摩訶不思議な碗は六千年以上のあいだ数多くの人間の手を渡り歩いてきた。恋の指南役を井戸に閉じ込めている鑑定人ローザ。冷凍イグアナで弁護士をなぐる泥棒。やって来たエホバの証人をあっという間にベッドに引きずり込む、盗癖のある若い女。書くもの書くものがタッチの差でダーヴィンにフローベールにマルクスに先を越される女…。骨董品が蒐集した滑稽な人間どものカタログ。
著者等紹介
フィッシャー,ティボール[フィッシャー,ティボール][Fischer,Tibor]
1959年、ロンドンに生まれる。ケンブリッジ大卒。両親は英国に移住したハンガリー人。第一作目の小説は、動乱の時代のハンガリーのバスケットボール・チームを描いたきついユーモア小説でベティ・トラスク賞を受賞。同書はブッカー賞の候補にもなった
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感想・レビュー
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秋良
7
昔という概念が生まれるよりも昔から生きる碗の人間観察記録。与太話が昔話風に語られる、イリワッカーに似た雰囲気で、共通のアイテムが現在と過去を繋ぐ役割を果たす。たとえば凍ったイグアナとかが。2018/06/16
vertigo
2
とても変だった。2013/03/11
sakanaga
2
語り手:銀河ヒッチハイクガイド、みたいな。2010/09/20
rinakko
1
途中までどうかな…と思ったが、面白かった。“この星に余るほど蒐集してきた”とのたまう、6千年以上の間諸々の所有者達を見てきた(時に姿を変え)魂を持つ碗。碗が蒐集したのは、コレクターと呼ばれる人間。ところが鑑定人ローザの手元に来た碗は、隠れたものを探知する彼女の能力によって、心を感じ取られてしまう。真に愛せる人を探し続けるローザに、奇妙奇天烈な物語を聴かせる碗。そこへ、盗癖があり色情狂のニキが転がり込み、話はややこしいことに…。ローザの周辺も面白いが、碗の物語がよかった。一つ一つは短くて、もっと読みたい!と2011/12/21
ふう
0
本棚カテゴリをどうするか? 迷う本。2012/09/11
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- 和書
- またまたさんせーい!