空っぽの家

空っぽの家

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488013714
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

思いがけない事故で夫を失ったヴァージニアは、心の傷を癒すために、二人の子供を夫の母親と乳母のもとにあずけ、なつかしいコーンウォール地方を訪れた。少女だった頃、母親と訪ねたこの地で、彼女は淡い初恋を経験し、しかし旧弊な母親によって、その思いはたちまちにして断ち切られたのだった。そして母の決めた結婚。福裕ではあるが、心の満たされることのなかった空っぽの生活。思い出の地をさまよう彼女の前に、かつて思いを寄せたユスタスが現われる。多くの女性たちの思いを寄せつけず、彼は独り身のまま、父親から受け継いだ農場をまもっていたのだ…。ロザムンドおばさんが優しい筆致で謳い上げる美しい愛の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けろりん

55
17歳の少女の胸に芽生えた想いは形を成す前に摘み取られ、諦観と現実逃避から、打算的な母の意に適う結婚をした。10年後、夫は醜聞に近い状況で事故死し、広大な地所と壮麗な館が遺された。授かった二人の子どもは、夫の乳母が養育の全権を担い、完璧な姑は、傷心の嫁を一人転地療養へと送り出した…。若い読者は、時代錯誤に眉を顰めるかもしれない。けれど若さゆえの不器用さ、反発しながらも親に依存する気持ちは覚えのあるもの。苦い現実の味もまた。空虚な心を抱えたヴァージニアの再生と旅立ちを繊細な筆致と卓越した情景描写が描き出す 2019/07/24

rokoroko

8
事故で夫を亡くしたヒロインが心身を癒しに訪れた地。そこには自然と昔愛した人がいた。美しい自然の描写が気持ち良い 2015/03/03

yukka

2
丁寧に主人公ヴァージニアの心情が描かれるので、まるで一緒に逡巡しているみたい。考えなしに行動してしまう幼さや、そのあ少し大人のなったけれど、女性特有の気恥ずかしさが、手に取るようようにわかって、その感情を抱きしめてあげたいくらい。これはロザムンドさんにしか書けないなぁー。それに女性じゃないと、分からないだろうなぁー。2017/02/18

Junko ama NANA

0
敢えて読まなくても、損をした気にはならない他愛もない作品2015/04/05

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